8/20に大井川鐵道を満喫してきたときのこと。
大井川鐡道の起点は金谷駅。ここで東海道線から乗り換えます。
そしてお待ちかねのSL急行に乗り込む。けん引する機関車はC56形44号機、戦時中にタイに送られた出征機関車です。
客車は国鉄の旧型客車オハ35形です。
何やら解説が書かれたプレートが…
…らしいです。古い客車なので車内のほとんどが木製です。
そして天井には今となっては懐かしい扇風機がずらり。全部国鉄のマーク入りです。
さあ、出発進行です。金谷駅を出るとしばらくは住宅地が続きます。
しばらく走ると沿線には茶畑が広がります。終着駅の千頭までこれでもかってくらい茶畑が多いです。
そんな茶畑の中を汽車は煙を吐きながら走ります。無煙炭を燃やしているので昔ほど黒い煙は出ないそうです。
途中、大井川の近くを走ったりもします。意外と川幅が広くてびっくり。
そんなこんなで、1時間半程で終点の千頭駅に到着。列車を降りるや否や、機関車の撮影を開始する乗客たち。俺は弟と一緒に行ったので2人で写真を撮りまくりました。
機関車の塗装はタイの国鉄仕様らしいです。2007年の10月からこの塗装で走っていたのですが、今年の9月の定期検査に合わせて国鉄色に戻すそうです。やっぱり真っ黒の方が似合うと思うんだ。
SL急行の補機に使われているE10形電気機関車。大井川鐵道に限らず、動態保存のSLは本調子で走れないので列車の最後尾から別の機関車で押してあげる必要があるのです。特にC56は出力を上げられないので客車4両でも補機を連結しないと無理だそうです。でもこの電気機関車も1949年生まれなんだよね…よく頑張るよ。
昼飯を食べたところで、次はこの日の目玉、機関士体験教室です。
機関室に入って汽笛を鳴らして、石炭をくべるところまで体験できる豪華仕様。
これが燃え滾るSLの心臓部!暑い、熱いぜ。ここにシャベルで石炭を放り込みます。
これで火力が落ちていると言うから驚き。写真と文章じゃ温度が伝わらないのが残念。走行中はもっと火が強くて灼熱地獄らしいです。
運転席に座った写真もバッチリきまってます。窓から顔出すと意外と涼しい。
この後は井川線(通称:南アルプスあぷとらいん)で山奥の奥大井湖上駅まで行きました。
この路線の目玉は何と言っても、途中にあるアプト式区間です。アプト式?何それ、おいしいの?って人はggrks。
アプト式区間はアプトいちしろ駅から長島ダム駅の間です。千頭から約40分かけて登ってきた列車は、アプトいちしろ駅で最後尾にアプト区間専用の電気機関車を連結します。
待避線からED90形電気機関車が走ってきます。
そして近くで見るとでかい。主に台車がでかい。
台車の隙間からモーターが見えます。こんな近くで見られるなんて、感激。さらに奥を覗くとラックと噛み合うピニオンギアが見えます。
ピニオンギアをアップで撮った写真。そのままだと暗くて分かりにくいので、ちょっと加工してあります。それでも分かりにくい…。
この機関車は車輪を回すモーター4台とピニオンギアを回すモーター2台の計6台のモーターを積んでいます。
なのに動力軸の数は4という不思議。ピニオンギアは動輪扱いじゃないってことですかね。
そして列車は90‰の急勾配を登る。レールの間にラックが見えますね。ちなみに、90‰とは1000メートル進む間に90メートル登る勾配のことです。
写真は先頭の客車にある運転席。運転席が客車についているのは、機関車が最後尾につくから。
途中、長島ダムの横を通過します。ダムと窓枠の角度からも、いかに急勾配かが分かると思います。
そして10分で長島ダム駅に到着、たった1駅でダムの下から上まで登り切りました。ここでアプト区間は終了なので電気機関車を切り離します。
長島ダム駅で後方を見ると、離れていく機関車が見えます。
ここから18分程で目的地の奥大井湖上駅に到着。
降りた列車を見送ります。写っているのは最後尾のディーゼル機関車。
この駅は長島ダムのダム湖の真上に位置しているので周りは美しい自然だらけ。
調子に乗って写真を撮りまくったら、携帯の電池がピンチに。おまけに、この駅圏外でした…au頑張れ。
弟と写真を撮りまくっていたら、帰りの列車が来ました。今度はさっき登った急勾配を下ります。
長島ダム駅で先頭に電気機関車を連結します。下りは速度が出るせいなのか、ちょっぴり怖い。ジェットコースターの感覚に似ています、速度はとても遅いのになぜか恐怖を感じる。
途中、後ろを振り返ったり、カーブの先を見たりするととんでもない坂でびっくりする。これは普通の電車で降りるの無理だ。
この後、アプトいちしろ駅で電気機関車を切り離してさらに山を下り千頭駅に到着。
帰りもSL急行に乗ります。けん引する機関車はC11形190号機、大井川鐵道で一番調子のいいSLです。
写真は金谷駅の1つ前、新金谷駅で撮ったもの。ここで一旦下車してお土産を買い、金谷駅までは電車で行きました。
とまあ、鉄道好きにはたまらない1日でした。欲を言えば、もう少しまともな写真を撮りたかった。
久しぶりにもう一回行きたくなる旅でした。