誰よりもオリンピックを愛していたであろう有森裕子さんだからこそ、2017年にこういうことを言った。

「そもそもなぜ東京五輪を招致したのか。一番大切なのが、復興だったはずです。スポーツによって、日本を元気に変えよう。日本に大きな災害があって、オリンピックを呼ぶことで復興させられるんだと、最たる手本になる国になる。そのつもりで私もブエノスアイレスでロビー活動をしました。

でも蓋を開けたら全然いま違う。復興どころか、どこを見ているんだろう。結局何をやろうとしているんだろうというのが正直あります。どこか不安で、反抗したくなるような、やらなきゃいい、返上すればいいという感情を促してしまう。

すごく残念です」

僕らはなにか考え違いをしていたんだ。

天は、東京に日本に、もう一度よく考えてご覧、と言っている。