ブログ小説…「エンゴク」魔仙妃伝③ | ショーエイのアタックまんがーワン

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②からのつづき


ここで先ず、硫天と伯天の闘いの前にこの世界の魔法の原理を説明しておこう。

魔法とは、この世界では本来霊術と呼ばれるもので、科学いわば化学と物理学に於いて8割がたの構成がなされるものである。

我々の世界とエンゴクで異なる部分が残りの2割に相当し、それが霊気と精気という未知の存在を有しているという点である。


この世界の魔法を構成する点を理解するのに、先ず原子レベル構成を理解する必要があると思います。

原子の構成は単純に陽子と中性子、そして電子の組み合わせによって変化する。

分子レベルならば、電子の働きによってCO2(二酸化炭素)をC2(炭素)とO2(酸素)に分解できるという話で分かりやすいと思う。

そこで原子という話に成ると、陽子と中性子の個数で元素の構成が決まり、単純に中性子を考えずに説明すると、水素ならば陽子が1つ、ヘリウムならば陽子が2つと化学における周期表が表す通りである。

電子の機能は陽子同士と中性子の結合を助ける存在で、陽子の周りを高速で周回する事で糸巻状に縛り付けている存在としてご理解ください。そして中性子は、陽子の電荷が+極(磁石に例えるなら+極)であり、磁石同様に+極と+極では反発しあうためその間に電極を持たない存在として入り込む事で反発しあう電極が中性子の周りを周りながら力を逃がしあう運動を起こす為の存在と考えられます。(この作用によって中性子が陽子をくっつけているように見える)

よって-極の電子がその周りを更に周回して包み込む事で、陽子の外へ逃げる力を抑え込む形で原子であり分子の結合バランスが保たれているのです。

ここで一つ物理的に考慮する点は、陽子の周回と電子の周回が静止した状態の電極誘引エネルギーでは無く、周回という遠心力によって外へ逃げる力と、電極の引き合いで働く内側への圧迫する力がその周回速度によってバランスがとられているという事。

この結びつきで発生するエネルギーが如何に強固なもので強制的に引き離した際のエネルギーの反発力が如何にすさまじいものと成るか、核爆発を想像すればご理解いただけるとお思います。、


その上で、この原子の結束を崩すには、我々の科学だと相当なエネルギー量を必要とすることは既にお解りだとおもいます。

いわば、核分裂であり核融合の話に成るわけです。

ただ、分裂や融合という強制的で爆発力を有する言葉では無く、エネルギーを中和させながら行う原子分解と結合が可能ならば魔法というレベルでその可能性は無限に広がるものと考えられます。

いわば万物を水素に分解して、そこから必要な元素へと変換し、更に分子レベルで物質を構成する事で、空間に一本の剣をも創り出せる。

それを可能にするには熱量以外で原子のバランスを崩壊させる何らかの力が必要と成ります。


この何らかの力の存在が霊気というものなのです。

万物を分裂、結合させる程の力と考えるならば、霊気は原子より更に小さな素粒子レベルで電磁操作できる力としてご理解いただく必要があると思います。

いわば突き進めば、現在の科学よりさらに神秘の領域にも手が届くものと理解する方が難しい説明が省けると思っていただければ幸いです。

勿論、このエンゴクの世界に於いては我々ほどの科学の知識が有るわけでは無く、霊気の操作はある意味感覚によるものでしかないわけですが、その霊気を使った術が分子レベルなのか、原子レベル、もしくは素粒子レベルなのかで威力の違いが現れる事は明確な話となるのです。


先ず、霊術いわば魔法の一般的なものは分子レベルのもので、霊気で分子を結合している電子を操作して物質変換を行うというもの。

火炎を引き起こすならば、大気中の電子を操作して静電気を発生させ、更に大気中の水蒸気を水素と酸素に分解、それによって狙ったポイントに火力を集中させる。

また、雷撃であればある意味、原子レベルの作用と成り、正の電荷(陽電子の様なもの)を相手に向けて発し、負の電荷(電子)を放電させるといった形である。


また、霊気の操作で原子と結合していない自由電子に対して波を与えることも可能と成るわけで、それによって他人との意思の疎通も可能に成るわけです。

これは、人間の感覚情報などが神経を伝わって電気信号によって脳へ伝達される点から考えて、携帯電話とは違った形で脳内に直接信号を送るといった原理で成立するわけです。

いわば物語に登場した幻惑の術に引っかかったテンスイのエピソードがこれに当たります。


ある意味、エンゴクにおける魔法は、我々が一般常識として理解できるレベルであれば習得出来うるレベルと感じて頂いた方が良いのかもしれません。

逆に、前述の大気中の物質から一本の剣を構成するには・・・

これこそ素粒子レベルの知識が必要と成り、原子レベルではどうしても中性子の構成で行き詰る話に成ってしまいます。(中性子が電荷を持たない為、それを霊気で自在に動かすにはというレベルに成ります。)

では、大気中でなく鉄の塊を鋼に錬成して剣を産み出すなら・・・

鋼に錬成するのは不純物を分子レベルで取り除き炭素を適量合金すれば可能な話で、それを溶解させる熱量も火炎の術を応用すれば可能と成りますが、剣の形を形成するにはと考えると鋼の分子を思い描く形で固めなければなりません。

これはいわばドロドロに溶けたチョコレートを型にはめずにハート形に形成するのと同じなのです。

やり方次第では可能かも、でも難しいそう・・・

何でも出来そうで知恵を絞らないと叶わない、それがエンゴクにおける魔法のポイントでもあるのです。


そしてこうした霊気を人間の意思で操作するには精気という精神的なエネルギーが存在しないと信号に変換できないことに成ります。

無論、どちらも神秘の力に等しいわけですが、有りそうで無い、もしかしたら存在するのかもというレベルで感じていただくには、電気信号または電磁信号の様な存在でなければ成立しない訳です。

あえて夢を語るならば、地球の大気中には存在しないが、宇宙空間には霊気が存在するかも…

もしくはどこか遠く彼方のの恒星には霊気の様な放射性物質を発しているかも…

その時、人間は精神エネルギーによって魔法が使えるように…

と考えてみた上でのものであります。


では、精気を信号に変換するには、と言うと、波を感じる・・・いわば超能力同様にイメージに沿った霊気の波を感じるしかすべがなく精神統一と感覚でのみ習得できる技としか言いようが有りません。

その波を感じ取れば、脳から発する精神信号(電磁信号の様なもの)が神経を伝って体の皮膚に伝達し、霊気と反応してその信号を大気に与えるという形と成るわけです。


ここでいう精神エネルギーとは・・・

魂の持つ五感では感じ取れない力である。

魂・・・たしかに魂と言うものは、かつて飢餓に苦しんだ人々を少しでも死への恐怖感から和らげる、または現世へ取り残される者に少しでも悲しみを和らげる為の宗教的な方便なのかもしれない。

死地を彷徨った者は、意識を持たない空白時間を経験したであろう…そうでなくとも寝ている間に記憶のない時間いわば夢を見ていない時間を考えれば魂の存在なんて疑問視されるのが当然である。

また、魂が持つとされる信念や使命感も、年老いて記憶があいまいな状態に成ってしまうと忘れ去ってしまう。

人間の持つ想像力や閃きですら元を辿れば、経験や体験によってインプットされた知識に必ず結びついてくる。

結局、人間という生き物は、全ては五感と欲望に反応するようにプログラミングされ、知識という情報をインプットしていく脳という高度な演算能力を持つコンピュータに支配されたロボット、または自然界が偶発的に生み出した物質に過ぎないのかもしれない。


しかし、如何に人間と同等な頭脳を持ち合わせたロボットでも、人間だけとは言わず犬や猫といった生命にあってそれらに持ち合わせないものがある。

それは自らが空間に存在しているという意識なのです。

五感の全てを消し去り、知識を全て消し去って自分を顧みてください・・・

確かに自分というものが空間に存在している。

これはいわば仏教でいう「無の境地」の神髄なのでしょう。

この自分が存在しているというエネルギーこそが精神エネルギーであり、魂より発せられるものと考えられるのである。

そしてこのエネルギーの解放は五感では感じ得ないものを感じる力としてここでは定義されます。


もう一つ、この精神エネルギー齎す作用がエンゴクでは存在する。

それは魂の記憶であり、前世の記憶ともいう。

確かに便宜上、神秘的な発想を用いているのは当然だが、脳無くして記憶を持つという意味は何なのか。

先に霊気の話で神秘の領域という言葉を用いたが、宇宙空間が無限に広がりその果てが見えないように、素粒子のその先もさらに小さく広がっているのではなかろうか。

もしかすれば、ある物質にとっては陽子という素粒子は宇宙空間に匹敵する存在なのかもしれない。

DNAが生命維持の記憶を塩基配列で記録するように、神秘の領域であれば魂が記憶を持ち合わせる方法は無数に存在するとも考えられる。

故に可能性はゼロでは無いと言う点で留めておきます。


この魂の記憶が解放される仕組みは後程、改めて説明するものしますが、現段階では霊気の存在が魂と脳を繋ぐ回路を開いているとだけにしておきます。

回路が広がれば送受信の量が増え、狭まればその量は減る。

ここまで話せば色々とご想像がつくものと思います。


霊気と精気による魔法の原理はここまでとし、霊気や精気の性質はまた後程説明させていただくものとします。


こうした原理で発動される魔力において何故、硫天と伯天が絶大な力を誇るのか…

二人の魔法が特殊とされる所以は、二人がいわば分子レベルでも原子レベルでもなく素粒子レベルの術を使うからである。

分子レベルや原子レベルであれば、その技を無効化する方法は考え付くであろう。

雷撃ならば、別な陽電子を自分より手前で方角の違う場所に配置すれば放電はそちらに流れるだろうし、ある意味、別な陽電子を敵に浴びせれば自滅するなど考えようによっては様々である。

これが素粒子レベルと成れば、我々の科学力と同様の知識を有する話で、この時代のエンゴクの人間にはその存在すら知るすべがない。

故に防御不可のものとみなされる。


硫天の技は核分裂で大量の中性子を大気中に生み出し、それを原子核にぶつけ爆発させるもの、いわば核兵器と同様なものである。

伯天の技は万物を無に帰する技で、クォークという陽子や中性子を形成する素粒子レベルに霊気の形成する電磁波の様な波で引き離して分解するというもの。原子や分子を形成する原子核など素粒子レベルでバラバラに成ってしまうという話である。


硫天や伯天がなぜこのような技を会得できたのか・・・

それは先ず魂の記憶の積み重ねに基づいた研究の成果であり、硫天は太陽を精神エネルギーで睨めつけ、伯天は宇宙の無の空間を睨め続けた故のものである。

そして二人の力は、人々から「光より学びし力」と「闇より学びし力」として恐れられているのです。


今、まさにその二人が雌雄を決するべく戦いに挑もうとしている。

どちらが勝つかは見当もつかない話であるが・・・

二人が齎そうとするその被害が甚大なもに成る事は、誰にでも理解できるであろう…


つづく・・・




暫くは、漫画賞への投稿作品に集中するそうです。

大変申し訳ありませんが、小説の更新はそのあとで行います。

感想や解りづらい点などございましたらコメント欄にコメントを下さい。

より読みやすいものへ改善できるように参考に致します。

皆さんの協力で名作を生み出すと思って、

ご協力の程、宜しくお願います。


ただ、「ツマラナイ」の一言でコメント入れられたら、

ブチ切れますけぇのう!


とオッサン先生は言ってます。