コストと投資の感覚 | 辻川泰史オフィシャルブログ「毎日が一期一会」Powered by Ameba

コストと投資の感覚

「君のスタッフは楽しく仕事をしているかい?」
「はい。もちろんです」
そんな支配人のうわべだけの返答には、シュルツィ氏は納得しなかった。
「いや、フロントの○○は楽しんでいないよ。どうして気が付かないんだ!」

上司には部下を楽しい環境で働かせる義務があるというのだ。
「シュルツィは最前線のスタッフに優しく、マネジメントクラスの人間には厳しい人だったのではないでしょうか。ホテルの開業前などにはシュルツィ自らが現地に赴いて、そこのスタッフたちと語り合う場を設けていました。そんなときもシュルツィは総支配人に向かって言うんです。『みんなの前でクレドの精神について説明してみせなさい』と。総支配人の考えがブレていようものなら、烈火のごとく怒っていましたよ」

シュルツィ社長が、かけていた眼鏡を乱暴にはずして「もう一度だけ私が言うからしっかり聞くんだ。いいか、クレドとは・・・」と語りかける真剣な場面を見て、スタッフたちはいっそう身を引き締めたという。
「日本ではニュアンスが違うかもしれませんが、アメリカでは"You are evangelist !"つまり『あなたは伝道者のようだ!』と言うのは、尊敬を伴った賛辞なんですね。シュルツィはまさに伝道者でした。GEの元会長、ジャック・ウェルチ氏も言っていましたが、企業が何かを創造するとき、宗教的な結束力、強さは必要だと思いますよ」


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