通所介護の時間区分見直しを提案 | 辻川泰史オフィシャルブログ「毎日が一期一会」Powered by Ameba

通所介護の時間区分見直しを提案

厚労省、通所介護でも時間区分見直しを提案- 小規模事業所の報酬は「適正化」


厚生労働省は10月31日の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東大名誉教授)に、2012年度介護報酬改定での通所介護サービスの基準と報酬の見直し案を示した。4-6時間、6-8時間などといった現行の時間区分を、5-7時間、7-9時間などに見直すとともに、延長加算を算定できる時間数を増やす。また、小規模型事業所(月利用者300人以下)の基本報酬を「適正化」する案も示した。

厚労省の提案によると、「3-4時間」「4-6時間」「6-8時間」などに分かれている現行の時間区分を、「3-5時間」「5-7時間」「7-9時間」などに見直す。家族介護者支援(レスパイトケア)を促進する観点から、延長加算の上限時間も現行の2時間から3時間に増やし、最大12時間まで評価される仕組みに改める。

 また、小規模型事業所の基本報酬については、通常規模型事業所(月利用者301-750人)に比べて17%高く設定されている。一方、小規模型と通常規模型のサービス1回当たりのコストの差は約15%にとどまっていることから、小規模型事業所の基本報酬を「適正化」する案も示した。

 さらに、理学療法士などの機能訓練指導員を配置して利用者ごとの個別計画を作成した場合に算定できる個別機能訓練加算1(27単位/日)を廃止して、基本報酬に組み入れる一方で、個別的な機能訓練を行っている場合に算定できる新たな加算を創設することを提案。看護職員が配置されている通常規模型以上の基本報酬を見直す案も示した。

 このほか、人員配置基準の算定に当たり常勤換算方式を導入することや、事業所と同じ建物に居住する利用者の送迎費用を見直すことなども提案した。

■通所リハ、週1回でも算定可に
 この日の会合で厚労省は、通所リハビリテーションの基準と報酬の見直し案も示した。実施計画を策定し、月8回以上サービスを提供した場合に算定できるリハビリテーションマネジメント加算(230単位/月)については、新規利用開始後1か月以内に利用者の居宅を訪問するなどの要件を満たせば、月4回以上のサービス提供でも算定できるよう見直す。また、1時間以上2時間未満の短時間型通所リハビリについては、個別リハビリが基本報酬に包括されている現行の仕組みを改め、個別リハビリ部分を基本報酬から切り離し、個別リハビリを実施した場合は出来高で月13回まで算定できる仕組みにする。一方で長時間型の基本報酬を適正化することも提案した。
 さらに、胃ろうや中心静脈注射などを実施している要介護4、5の利用者を受け入れた場合に加算で評価する案も示した。

 このほか、介護予防通所介護と介護予防通所リハビリテーションの見直し案としては、▽運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上の各プログラムのうち、複数を組み合わせて実施した場合に評価する加算を創設する▽集団的に行われるレクリエーションなどの機能訓練を評価するアクティビティ実施加算(53単位/月)に代え、日常の生活行為の向上につながるプログラムを評価する仕組みを創設する―などを提示した。

■通所系サービスの再構築求める意見相次ぐ
 この日の会合では、通所介護や通所リハビリといった、通所系サービスの再構築を主張する意見が相次いだ。池田省三委員(地域ケア政策ネットワーク研究主幹)は、「通所介護と通所リハビリはうまく区分されていない」と指摘。その上で、食事や入浴といったレスパイト機能を担う「1階部分」の上に、リハビリや療養、認知症対応などの機能を担う「2階部分」を上乗せした形で、通所系サービスを「2階建て」に再構築することを提案した。村川浩一委員(日本社会事業大教授)も、「通所サービスに共通している要素を評価する必要がある」と指摘。一方、三上裕司委員(日本医師会常任理事)は、「6時間のうち、最初の2時間はリハビリをやり、あとの4時間はデイサービスのような預かりサービスをやっている場合もある」とし、「必ずしも『二階建て論』だけでいけるわけではない」と述べた。

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