ユニークビジネス | 辻川泰史オフィシャルブログ「毎日が一期一会」Powered by Ameba

ユニークビジネス

「要介護」対象、業界初 運送業の「セイコー運輸」は、要介護高齢者向け引っ越しサービス「シルバー住むーぶ」を事業展開している。


「一年中いつでもどこでもホームヘルパーのいる引越屋さん」を旗印に、福祉施設への入退居などに際した転居に対応。2005年に大阪を拠点にスタートした「業界初」のサービスで、5月からはパートナー企業と提携して首都圏(東京・埼玉)でも事業を進めるなど、全国にすそ野を拡大していく方針だ。


創業は1981年。99年に引っ越し事業に参入したが、現在3500億円といわれる市場のうち約7割強は大手数社で占められているという現状に、宮高豪専務(40)は「このままでは価格競争に巻き込まれるだけ。


ターゲットを絞り直す必要があるのでは」と飽和状態の業界への危機感を抱いた。


従来は若年層単身者のワンルームマンションが主な顧客だったが、景気の低迷によって単身者数が減少し、引っ越しの需要も縮小していく傾向を感じたという。


そこで状況打開を図るべく、03年には“住む”と“move(ムーブ=移動する)”をかけた「住むーぶ」を商標登録し、単身者とファミリー、若年者と高齢者という座標軸を整理した際に「要介護高齢者」というカテゴリーに着目。


総人口のうち65歳以上が占める割合が4分の1に達するという情勢の中、介護と引っ越しという、一見まったく異なるコンセプトを結びつけた。 ビジネスモデルに試行錯誤する中で、宮高専務自らがホームヘルパー2級の資格を取得して市場にアピール。


スタート以来、売り上げは前年度比約120%で推移するなど反応は上々で、07年には業界団体である全日本トラック協会の助成事業で「ユニークビジネス」部門の認定を得、客観的評価を高めていった。


高齢者の利便性、生産効率の向上を考慮した際、派生的に、トラックと運転手を時間貸しする「タイムレンタル住むーぶ」という新たな商品が生まれた。


最短1時間からレンタル可能なシステムで、庭の枝の処分やたんすの移動、遺品の整理までを請け負う「すけっと便」として商品化。


それは若年層の座標軸を見直すきっかけともなり、楽器運搬をはじめ学校関係での引き合いも増える相乗効果を生んでいる。


現在では、引っ越し部門の売り上げのうち、高齢者対象事業が6割を占めており、今後も特化していく方針だ。


協力企業とともに6月には滋賀、8月には奈良でも事業を開始する予定で、「同じ志を持つ中小企業同士が協力し合い、地域活性化に貢献したい」と今後に目を向ける宮高専務。


「高齢者の引っ越しといえば“住むーぶ”と言われる存在になれば」と将来像を描いている。



大阪日日新聞より


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