失くしたものを数えるな
株式会社ハンディネットワーク インターナショナル
私は今から13年前に春山満さんの日経主催の講演会に参加しました。
300名ほどの講演会の中、20歳の私は参加者の中で最年少だったのではないか?と思います。
講演の時に、春山さんと目が合いました。
その時、多くの聴講されている方の前で「君、仕事は?」
と尋ねられました。
戸惑いましたが、私は「有料老人ホームに勤務しています!」
と元気よく応えました!
春山さんは「そうか、若いのに良いね。これからの仕事だから!」
「一つ聞くけど、有料じゃない老人ホームってあんの?」
そう言われました。
その通りです。
無料の老人ホームはありません。
名前が良くない。
全てが有料なんだ!そこが福祉のまやかしだ!と言われました。
言われてみれば当然の事。
しかし、その当然の事にさえ気づかない自分が悔しかった事を思い出します。
そのきっかけがあったから、コスト意識を持つようになったと思います。
間接的ではありましたが、私の起業のきっかけになった出来事でした。
あれから、13年経ちますが、未だに売上などの視点はタブー視されてしまう風潮が少なからずあります。
春山氏の事は2年前にもブログに書きました。
こちらもお読みください!
http://ameblo.jp/eichi-eru/entry-10251726282.html
下記のラジオを聴いて下さい!
http://www.hni.co.jp/radio/01.html
それを言い訳にしない、その生き方に勇気を貰ってます。
私は1991年にハンディネットワーク インターナショナル(HNI)を設立しました。
私にとってHNIの歳月は、進行性筋ジストロフィーによって失われていく体の機能を補いながら、それをテコにしてビジネスに反映させる。いわばチャレンジの連続でもありました。
失くしながら見つけ、見つけたものを形にし、そうやって夢中になってビジネスを続けていくうちに、私はさらなるビジネスの奥深さ、おもしろさに魅力を感じるようになりました。
日本は今、大きな転換期を迎えています。
外交や経済や国内事情を見回した時、今の日本とかつての自分の状況が妙にオーバーラップします。日本がここまでの経済大国になった大きな要因である高い技術力を持った低賃金の労働力は、世界に取って代わられました。いわば手足がなくなってしまった状態です。
個人も同じです。右肩上がりでみんな一緒に豊かになっていた時代には、人と同じことをしていさえすれば、自分も同じように成功できました。残念ながらそうした時代はすでに終わったのです。
今の日本は私から見ると、まだまだ残された機能をたくさん持っているのに、自分が失いつつあるもの、すでに失ったものをただ嘆いているだけのような気がします。
失くしたものを数えるな、残された機能を120%活性化させる。
足がなければ躄(いざ)ればいい。手が利かなければ考えればいい。コップ三分の一の水を見て嘆くのではなく、「ラッキー!まだ三分の一も残っている」と、目を輝かせればいい。
そしてなにより、「頭を使って稼ぐ」ことは決して楽ではないが、その苦しみの先にある喜びを求めて、HNIはさらに邁進します。http://www.hni.co.jp/index.html
春山 満