デイサービス開業
訪問介護の事業の運営が好調になると同時に、居宅介護支援事業も少しずつ好調になってきました。
ある時、自社に勤務するケアマネジャーからサービスの依頼で困っているとの相談を受けました。
近隣のデイサービス、デイケアはどこも定員が一杯で埋まっているというのです。
空いていても、同一市内にもかかわらず送迎をしてもらえないとのこと。
私も訪問介護に行くたびに、利用者本人や家族の方からデイサービスを利用したいという希望を耳にしていました。
しかし当時、デイサービス、デイケアは数が少なく、利用したくても利用できない状況が少なからずありました。
しかも施設によっては、ADLの状況にかかわらず、レクリエーション、機能訓練、食事などサービス全般が画一的であることを知りました。
「あそこのデイサービスのあのサービス」というコンセプトが薄く、利用者もただ通っているだけというように感じることが多くありました。利用者が楽しく通えれば、送り出す家族も嬉しいはずなのに……。
そんな時、利用者の家族から、「あなたデイサービス作ってよ!」と言われました。
それまでは、自分がデイサービスを開設するなんて考えてもいませんでしたが、既存のデイサービスを見ていると、「もっとこうしたら良いのに!」と思うことはありました。利用者が選択できるサービスの提供。例えば機能訓練一つでも、フラダンス風にしてみたり、利用者が首からレイをかけたりして、楽しい雰囲気の中で行う。歌でも呼吸を意識した音楽療法などを取り入れる。工夫できることはいくらでもあると思うのです。
そうか、自分で作ってしまえばいい!簡単ではないけれど、できないことはないはず。
都内の民間の小規模デイサービスを数十か所見学させてもらいました。施設併設型のデイサービスにしなくても、店舗を改築すれば開設できると思いました。
必要な事項を書き出し、課題を一つずつ消していきました。
資金の問題も、銀行に相談して何とかクリア。
そして、2003年11月。東京都小金井市に最初のデイサービスを開設することができたのです。起業してから1年2か月後のことです。まさかデイサービスを開設するとは夢にも思いませんでした。
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