きっかけー7 | 辻川泰史オフィシャルブログ「毎日が一期一会」Powered by Ameba

きっかけー7

勤務初日、驚いた。


即戦力!の扱い。


期待されているのかと思い、やる気が増した。


そうではない事が初日を終える頃には分かった。


深刻な人材不足だった。


勤務し一月程し、ヘルパー講座で知り合った同期に連絡してみた。


その同期も老人ホームで就職していた。


状況は私と同じだった。


研修中に退職する事も考えた。


しかし、利用者に顔を覚えて貰い話していると安易に退職する事は出来ない。


離れたくないという気持ちも強くある。


利用者の為に!そういう気持ちで頑張る事を決意した。

同時に施設の改善に努めようと奔走した。


あっという間に5年が経った。

スタッフの出入りが多く、気づくと自分は主任になっていた。


その間、介護福祉士の資格も取得した。


5年が過ぎ入社当初から抱えていた不満が抑えきれなくなった。

施設の問題点を定義しても無気力な上司。事なかれ主義の同僚。


中には尊敬できる仲間もいる。


しかし、自分にはこの施設は合わないと感じた。


担当していた利用者がお亡くなりになった。


その利用者だけは入所から自分が担当してきた。


見送った事で一つの区切りが出来た。


転職を決意した。

5年間自分なりに頑張ってきた。


後悔はするだろうが、思い切って退職届を上司に提出した。


話合いを行った。慰留された。


何とか残って欲しい、そう言われた。


ただ、話合いの最後の言葉で上司、法人の本音が分かった。


「他に介護福祉士の人が応募してくれたら、あなたの希望通りに直ぐ返事出来るんだけどね」


結局は頭数か?


運よく?後任が決まり、退職を認めてもらった。


転職する先は最後の施設、骨をうずめる覚悟だった。


転職先は老人ホームに決めた。


やはり慣れている事が決め手だった。