ヨーロッパ在住の読書家ブログ

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一日一冊書籍を読破していますので、
その書評を海外の生きた情報と併せてお伝えしていきます。

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丁寧を武器にする/祥伝社

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丁寧を武器にする。
なぜ小山ロールは1日1600本売れるのか。

この本での話は、飲食業界だけでなくあらゆる業界にも十分通用する考え方である。

「丁寧な力こそ仕事の基礎力になる。」
仕事のできる人は、細かい人が多い。

実際私のドイツ人の同僚は常に細部にまで注意が行き届いていてかつ仕事が早い。
「丁寧さ」は間違いなく「信頼」にもつながっている。
では丁寧な力を磨くためにはどうすればよいのか?
それは、目の前にあることをただ一生懸命に取り組むことである。お客様への対応やスタッフの育成など、全てのことに対してである。
まさにこの通りである。そして一生懸命取り組んで丁寧な力がついてくると、仕事ができるようになり、仕事の目的が単に金を稼ぐことだけではなくなり、仕事自体が楽しく感じられるようになるのである。これは経験した人ならわかるはずだ。

「小さなことをおろそかにする人は、必ず大きなこともおろそかにする。小さなことをどれだけ丁寧に取り組めるかによって、その人の仕事に対する意識は決まってくる。」

例えば、
待ち合わせに5分遅れる。
重要なメールを受け取っているのに、すぐに返信しないで、返信し忘れる。
お客様に提出するレポートなのに誤字脱字がある。
自分が言い出したことをきちんと行わない。
。。
等々、小さなことをあげると枚挙に暇がないが、こういったことをきちんとできていない人には大きな仕事を任せられないし、少なくとも、私は一緒に仕事をしたいとは思わない。
自分にも猛省しなければいけない点がある。

「何であれ、継続することは一種の才能である。」
最近私が一緒に働いている日本人の20代、30代は理解力、適応能力がともに高いのだが、40代、50代やその上の世代に比べて忍耐力が足りないと思う。
これも時代の流れなのかもしれないが、
何かで結果を出したければ継続することが必要条件である。そのためには胆力、我慢する力を持たねばならない。勉強であれスポーツであれ一定の期間は練習や復習を続けなければレベルは向上しない。最近のSMAPの曲の歌詞にもあるように、この一瞬のために何千時間も費やしてやっと結果がでることもある。
ただここで注意しなければならないのは、ただ同じことを継続するだけではまずいことだ。
単なる継続だと成長スピードが鈍化してくるし、変化する環境に対応できなくるからだ。
だから私は「進化する継続は力なり」を意識している。

どんな仕事もクリエイティブだ。事務も伝票整理をするだけの仕事ではない。そこから会社全体の数字がわかるのだから、どこにムダがあるのかをみつければ会社の運営に関わることになる。つまり、受け身で仕事をしている限り、どんな仕事でもクリエイティブにはならないのだ

基本的にはどんな仕事でも毎日同じことの繰り返しのことが多い。しかしその繰り返しの中でも創造性を持ち続けることが大事なのである。
そして仕事は体で覚えるしかない。一つのことについて深く掘り下げて考えることで初めてその基礎力がつくのだ。


小さな違和感を探す
僕は、店の敷地にゴミが落ちているのに気づいて拾ったら、必ず付近にいるスタッフに、「そこに落ちていたゴミを拾っておいたらからな」と言う。言わないと、その子たちはゴミに意識がいかない。あるいはゴミに気づいていたとしても、やりすごすかもしれない。

こういった小さなことに対する気配りが、スタッフや後輩を育てていくのには重要なのかもしれない。
最後に、大事なことを毎日続けるには、効率的で、自分が楽しんでいられるような方法を考えるのが大切なのだ。

編集後記
ふと思い立って今日デュッセルドルフへ行くことにした。時間的には東京から名古屋程度か。
自分から環境を変えることは刺激があってかつリフレッシュにもなるのでこれからもどんどん行っていきたい。
「脳にいいこと」だけをやりなさい!/三笠書房

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プロとしてあってはならないことであるが、
時にモチベーションが上がらない日もある。
原因の多くは、蓄積された疲れやストレスによる倦怠感である。
プロであっても、超人スーパーマンでない限り、多かれ少なかれそういうときがあるのだ。

そんな時はどうするか?

方法は人によって千差万別。

私は思い切って早めに寝る

夜10時とか11時とかに布団に入ってしまう。
すると、翌朝いつもより早く目が覚め、一気にやる気が出ているものだ。

本書でも「気持ちが落ち込んだときには三日間、夜十時(できれば九時)には眠りなさい」とあり、これを実行すると三日後には世の中が違って見え、身体にエネルギーがあふれ、元の明るい自分に戻るとのこと。恐らく脳にもポジティブに作用するのだろう。

早寝早起きをお勧めしたい。


編集後記
アウェー(海外)で暮らしていると、普通に生活しているだけで知らず知らずのうちにストレスが溜まるようだ。

また最近肝臓の調子が良くないなと感じていた。

肝臓について調べてみると、
ストレスにより体内のたんぱく質が分解され有害なアンモニアが生成される。そのアンモニアを肝臓内の「オルニチン」が解毒作用を促すように働くらしい。
そのため、肝臓とはストレスと深く関係しているそうだ。

非常に大事なことを、「肝心要」と書くが大変的を射ていると感じた。
ホウレンソウ禁止で1日7時間15分しか働かないから仕事が面白くなる/東洋経済新報社

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未来工業について2つ気に入っている所がある。

1.
「常に考える」というスローガンの下、社員一人ひとりが自分の頭で常に考え、実行する。

会社の至るところに標識がある。
「常に考える」
「常に考える」
「常に考える」
「常に考える」
「常に考える」

村上龍もカンブリア宮殿で指摘しているが、経営者や上司からの命令ではなく社員が自主的に考えることが大切なのだ。
そして、それが社内でカイゼン、提案、カイゼン、提案、カイゼン・・・と繋がっていき、終わりのない差別化への執念となり、最終的にその執念こそが成功へとつながるのだ。

2.
残業は原則禁止である。

これは仕事以外の楽しみをもたせることが主な理由だ。
仕事とは、良くも悪くも、細かな慣習の集積。だから限られた時間内で集中して仕事をし、かつ定期的に仕事の仕方を見直すのだ。

また仕事以外の時間で人生を豊かにすることで、更に仕事をするようになるのだ。


ちなみに、カンブリア宮殿の動画はYoukuで視聴できるので、興味のある方はそちらをご覧になってから本を読まれると良いのではないか。


編集後記

ドイツでは仕事とプライベートの線引きがしっかりしている印象がある。そして仕事が終わった後は家族との時間を大切にする。
例えば、繁忙期。日本だと夕食を外で食べた後に、会社に戻って深夜残業をする人が少なくないが、ドイツでは遅くまで働くことがあっても夕食は家で家族と食べたり、家族との時間を持ちつつ家で続きの仕事をする社員の方が、会社にずっといる社員よりも圧倒的に多い。

また仕事を終えるとき、
日本では、「おつかれ」というが
ドイツでは、「ファイアーアーベント(楽しい夕べを)」と同僚に声をかける。
仕事後の時間を楽しむことを大切にしている象徴ではないか。