二宮周平「家族法」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

 「家族法は、結婚、離婚、親子、養子、扶養、氏名、戸籍、相続、遺産分割、遺言など個人と家族に関する法律を対象とする。実際にこれらに関する判例や事例に触れると、世の中にはいろいろな考え方の人がいて、多様な家庭生活、家族関係を営んでいることがわかる。愛情が憎しみに変わったり、金銭が絡んで仲の良かった兄弟が骨肉相争う関係になったり、紛争の深刻さにたじろいでしまうことも多い。」

 

「時代や社会が変わっても、私たち人間は、エゴをむき出しにしたり、独りよがりの善意や思いやりから、同じような過ちや失敗、誤解を繰り返していることを知る。いい加減にしろよと言いたくなる半面、身につまされたり、自分と変わらない等身大の人間を見て、何となくほっとする面もある。家族法は人間を対象とする学問であることが肌身に感じられてくる。」

 
 二宮周平氏は、立命館大学を本年度退職された教授で家族法の大家である。