森有正「生きることと考えること」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「私自身が人生を生きてゆくということの本当の意味を探しているのです。それ以外の意味はないわけで、デカルトやパスカルは私にとってかけがえのない思想においての大先生ですけれども、結局問題は私自身が思想をもつかもたないかということです。やはり、自分の思想をもたないと、いたたまれないような気がします。」

 

「私には、どうしても自分で生きている意味を、自分でつかまえようとしいう考えがあるわけですから。つまり、私がフランスへ行って、だんだん自分の経験が成熟してくるにつれて、デカルトやパスカルが少しずつわきのほうへどいていく。そして私自身の思想が中心になってくる。これは私にとって非常な感動だったわけです。」