松本佐保「バチカン近現代史」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

 「ローマ教皇とはどのような存在なのだろうか。キリスト教の最高位の聖職者であり、カトリック教会のローマ司教にして全世界のカトリック教徒の精神的指導者、それがローマ教皇である。日本語では『法王』という表記が一般的に使われるが、日本カトリック教会は正式名を『ローマ教皇』としている。教皇の権威や位をさして『聖座』や『神の代理人』などとも表現されるが、キリスト教の神に一番近い存在という位置づけになるだろう。」


「キリストの十二人の弟子、いわゆる十二使徒のなかで最も重要とされる聖ペテロは、教えを広めるために『教会』を建てるようキリストに命じられた。その教会の基礎の部分、つまり礎に使われた『岩』(イタリア語でピエトロ)が、現在のバチカンのサン・ピエトロ大聖堂の名前の起源となっている。サン・ピエトロ大聖堂の地下には、古代ローマの皇帝ネロの時代に殉教した聖ペテロの墓があり、遺骸があると伝えられてきた。二十世紀に入り、この墓を発掘し遺骸を調査した結果、聖ペテロは実在の人物だと証明される。この聖ペテロこそ、『神の代理人』である第一代の教皇とされている。」


 これまで点の理解でしかなかったことがだんだんつながってきた。