マネジメントをしていく中で、
悩ましい問題のひとつが、
メンバーのドライブ力をいかに高めるか、である。
ここで言うドライブ力というのは、
何かのミッションを背負ったときに、
それが自分の経験上、できること、できないこと、関係なしに、
ゴールから逆算し、どう進めれば良いかを自分の頭で考え、
仮説で道筋を作り、アクションすること、である。
ドライブ=自分自身を運転できること。
これが出来る人は、躊躇なく権限委譲できるし、
何か壁にあたったときも、
自分なりに考え、相談してくるため、
大きな事故に至ることは少ない。
むしろ、困難な課題であればあるほど、
本人自ら成長機会を拡大し、機会を通して、
また、一回り頼もしくなる。
一方、ドライブ力が乏しい人は、
何かのミッションを背負ったとき、
それが自分自身経験がなかったり、
分からない領域のものであった場合、
思考が停止してしまい、
ついつい横に置いてしまったりする。
思考が停止しない場合も、
自分自身の中だけで葛藤し、
結局のところ、客観的には何もしていないのと
同じ状態に陥る場合も少なくない。
そのため、時間ばかりが経過し、
進捗確認をすると何も進んでいないことが多いし、
リカバーできなくなるリスクも伴う。
このドライブ力は、
いわゆるコミュニケーション能力に含めて
語られることが多いと思うが、
ただ単に人に聞きまくれば良いわけでもなく、
そもそものゴールに対して、
どう進行すればよいか仮説を作る
問題解決能力の要素も含んでいる。
よく「あの人は、仕事ができる、できない」と言う話が、
日常的にあると思うが、私が感じるに、
このドライブできるか、否かが、
境界線になっているように感じる。
後者に分類される人が全てダメなわけではない。
むしろ、既に体系化されたルーティン業務をこなす前提であれば、
それほど大きな問題にはならない。
しかし、我々のインタラクティブな領域に関して、
5年、10年、まったく同じことをやり続けることは極めて稀だ。
変化を前提に自らを置き、その変化に応じて、
自らのスキルや働き方も変えていかなくては、
主戦場に生き残ることは難しくなる。
ここで問題になるのは、
どちらかと言うと後者に分類される人が、
それなりに多いということだ。
中には、世間から着目されるような
非常に優秀でアクティブな
メンバーが集まる組織もあるだろうが、
大半の組織はそうではない。
従って、マネジメントを司る立場として、
ドライブできない人材を、根元から否定し、
切り捨ててしまうと、結果的に自らの首を絞めることに他ならない。
ひとりでも多くの人が、
自らの頭で考え、行動できるようになることが、
組織にとっても好ましいことは言うまでもない。
では、どうしたら、
後者から前者へのシフトを促せるか。
この問題について、
私なりの解はまだ無く、
試行錯誤の毎日である。
あるときは、予め道筋を作った上で指示したり、
あるときは、こまめに進捗確認し、伴走者として接したり、
体系化が完全にできている領域を絞って、
仕事の依頼をしたりと様々だ。
意欲がある人、そうでもない人、
モチベーションの動機も価値観も、
得意領域も人それぞれだから、
その人の立場に立って、
考えていなかくてはならない。
しかし、伴走しないで任せると、
思考停止に陥ってしまうようであれば、
根本的な解決には至らない。
試行錯誤のプロセスの中で、
どのように能力を体得していけるか。
これが最近の私の悩みでもあり、
楽しみのテーマである。