『Gourmet 食べる、飲む、楽しむ。上質な大人の食のご提案』
連載最終号
フレンチ&ワインバー
『サロン・デ・ヴァン・セヴ』
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ワインの店に行くのには、知識も経験も不要です。必要なのは、「ワインに興味がある」ことだけ。
『サロン・デ・ヴァン セヴ』を直訳すると、“ワインのサロン”。“フレンチレストラン”でも、“ワインバー”でもない、唯一無二のカテゴリーです。
この店のセラー(貯蔵庫)には、オーナー・奥西氏縁の品が並びます。実際にワイナリーを訪れ、生産者と話し、時には、ブドウの収穫まで手伝ったワインを仕入れているため、すべてに独自のストーリーが秘められています。お勧めのワインを尋ねてみると、会話から好みを引き出し、体にするすると入ってくるような一杯を選んでくれることでしょう。
料理はワインと好相性のメニューが中心。けれど、例えば「野菜が食べたい」と漠然としたリクエストしてみると、その日の野菜で、貴方だけの一皿に仕上げてくれます。
また、毎年5月頃までは、2月の禁猟解禁期に獲られた、奈良県産の野生の鹿を使用した「パテ」をいただくことができます。滋味に富み、筋の張った前足などを、豚肉と共にミンチにし、きのこやピスタチオを加えてオーブンへ。フランスの肉屋で生まれた、ワインの肴の定番です。
コースでしっかり食事するも良し、仕事帰りに一杯だけ飲むも良し。使い方はタイミングと気分次第。思い思いに過ごすお客様を、“ワイン”という共通項で繋ぐ、やはりここはレストランでもバーでもない、新しい概念の店といえます。
口数の少ない奥西氏が、かすかに声を弾ませたのは二度でした。
一度目は、3月に植えたブドウの木に芽が出たのだと、写真を見せてくれたとき。 実がなるのは早くても来年の秋。もしかすると、店の裏メニューに登場するかも知れません。
二度目は、フランス・ブルゴーニュ地方の造り手、フィリップ・パカレの元で収穫した「ジュブレイ・シャンベルタン」を語るとき。出来上がったうちの60本を手元に置き、1本空くごとに、瓶にそのお客様のサインをいただくのだそうです。出してきてくださった最初の空き瓶には、埃が。
シンプルで、清潔感ある店ですが、「これも歴史だから」と、瓶の埃はふき取らずそのままにされました。
ワインは人と同じ。若い頃には若い頃の良さがあり、年齢を重ねた頃には、またその良さがあります。ワインの製造年の時代を思い出すも良し、ブドウの新芽に自分の可能性を重ねて見るも、また良し。
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