動くとき | 小人閑居

動くとき

5月に入り、すっかりあたたかくなった、と思ったら、いっせいに木々が芽吹き、あれあれと思う間に桜が咲き、エニシダが咲き、梅もどきが咲き、マロニエが鈴のような花をつけていた。


鳥の歌も恋の歌からテリトリーの主張に変わり、雛たちが孵ったのをさらに大きな猛禽類が狙うのか、短く鋭い警戒声を頻繁に発するようになった。


木々の芽はまだ柔らかな緑で、それは日差しをさえぎるというよりは、日差しをやわらかく濾過し、緑の甘やかな光を森の中に満たす。


そうして自然は動いてゆく。動かなければ、も、動いてやるぞ、も、動くべき、も無く。動くものだから動く。


わたしも。


一通の郵便と、一本の電話。


さて、動きますか。時が来たようです。