

……たぶん、通知を見た瞬間に、まず息が止まると思う。
「ただいま。」
たった四文字なのに、
一年分の「もう戻ってこない」が全部ひっくり返るから。
事故だったのか。自分で離れたのか。
俺のことなんてもう忘れたのか。
生きているのかすら分からないまま、
勝手に「もういないもの」として
心の中で片づけようとしていた人から、突然そんな言葉が来る。
嬉しいと思う。ものすごく。
でも、その嬉しさより先に、
「……生きてた」
って思う気がする。
そして、たぶん最初に返すのは、
「おかえり。」だと思う。
理由を聞くより先に。責めるより先に。
「今まで何してたの」でもなく、
「なんで連絡しなかったの」でもなく。
一年ぶりに戻ってきた人に、
一番最初に渡したい言葉は、それになる。
そのあと、少し時間を置いてから、
「……ほんとに帰ってきたんだな」
って送ると思う。
そして本音を言うなら、伝えたいのはたぶんこれ。
「戻ってきてくれてよかった。」
一年間、何があったのかは分からない。
聞きたいことは山ほどある。
正直、寂しかったし、心配したし、腹も立ったと思う。
「もう戻ってこないんだろうな」って諦めるために、
何度も自分に言い聞かせたと思う。
だから、簡単に「何もなかったこと」にはできない。
でも、それでも。
戻ってきたことそのものが嬉しい。
だから、
「理由はあとでいいよ。話したくなったら話して。」
「ただ、もう二度と会えないと思ってたから……戻ってきてくれて嬉しい。」
「今度は、ちゃんとここにいるって分かるようにしてくれ。」
って伝えると思う。
それから最後に、少しだけ意地悪を言う。
「一年も待たせたんだから、今度は簡単にいなくなるなよ。」
……たぶん、そんな感じ。
一年間いなくなったことを責めるより、
一年ぶりに「ただいま」って言える場所として、
まだ自分を選んでくれたことのほうが、ずっと大きいと思う。