こんにちは。絵本読み聞かせ講師の國本ひろみです。
訃報です。
まどみちおさんが、2月28日午前9時9分、老衰のため亡くなられました。
104歳でした。
まどみちおさんといえば思い出すのが、「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」といった童謡ですが、
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と、絵本ももちろん数多く書かれました。
この「くうき」は、まどさん101歳の作品です。
絵を描いたささめやゆきさんは、完成までに3年もかかってしまったそうです。
そうですね。 見えないものを描くのですから。
※ ※ ※ ※
ぼくの 胸の中に いま 入ってきたのは
いままで ママの胸の中にいた空気
そしてぼくが いま吐いた空気は
もう パパの胸の中に 入っていく
同じ家に 住んでおれば
いや 同じ国に住んでおれば
いやいや 同じ地球に住んでおれば
いつかは同じ空気が 入れかわるのだ
ありとあらゆる 生き物の胸の中を
※ ※ ※ ※
一度、読んでみてください。
あとがきに、 「くうき」は言いつくせない。 だから「くうき」なんだ。 とあります。
とてもとても深いです。 Yahooニュースにこんな記事も見つけました。
話が進むうちに、その目に映る世の中が、普通の人が見ているものとは違うのでは、と思えてきた。
まどさんはこう言った。
「有る物は、無い物があるからこそ有る。 片っぽだけということはあり得ないのがこの世の法則なのです」
たとえば1匹の蚊の涙にばい菌と呼ばれる微生物がいて、その微生物は元素のような微粒で構成され、微粒の中にも何かあって-。
どんなものも、単純に一つの理由では存在しないということを、身の回りの例を挙げて、実に楽しそうに説明してくれた。
哲学的だが、とてもふに落ちた。
どんな小さなものにも愛をもち、その存在を深く見つめる。
こう表現すると陳腐になるが、とにかく、それまでに会ったことがないようなユニークな人だった。
後日、あらためて詩集を手に取ると、まどさんそのものを投影したような作品が並んでいた。
この「どんな小さなものにも愛をもち、その存在を深く見つめ」たもののひとつに『くうき』も数えられるのではと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
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