地下鉄でこんなことがありました。
4歳ぐらいのブルーのサッカーTシャツを着た男子と
ヒールの高い靴を履いた見るからに上品な格好のママが
ホームにいました。
同じ車両に乗り込み、気がつくと
2人は長いシートに座り、男子は靴を脱いで、
シートの上でピョンピョン飛び跳ねていました。
(ああ、またママの怒る声を聴くことになるなあ)
そう思っていたのに、ママは一度小さな声で
「やめなさい」と言ったきり
両耳にはイヤホン、
目は本文庫本に注がれていて、
男子が暴れるのを見もしません。
男子はかまってもらえないので、
反対側に座る年配女性に
「ねーねー、しってる~? この窓はさー」と
気安くしなだれかかり話しかけています。
ホームの姿を見ていなければ、
この年配女性の孫かしらと思ってしまう感じです。
「ぼく、もうママに叱られるから、
この辺にしたら?」と注意されるもへっちゃら。
もう、ママは鉄仮面のように固まって、
まるで息子を赤の他人のように
耳も目も傾けずに無視し続けていました。
(ものすごく怖いものを見てしまった!)
この親子より先に電車を降りたので、
この先どうなったのかはわかりません。
あまりに驚いたので、この話を周囲に話したところ、
「最近叱らないママ、増えているよ」
「すごく多いわよ、走り回っていても平気なのよ」
「でもね、家では別人のように叱っているの」
「え?」
どういうことかと思いました。
人前では、叱らない自由な子育てをしているママ。
でも家では、激しく叱っている。
2つの顔を持っているというのです。
公共の場で叱っているママは、
むしろちゃんと叱れるママなんですね。
確か、映画にもなった、中脇初枝の『きみはいい子』の中にも
家でだけ激しく叱るママが登場していました。
ママがそこまで人の目を気にして子育てをすることで
得られるものは何なのでしょう。
電車の中の他人に、どう評価してほしいのでしょう。
子どもに対して「認める」声かけを
わたしはコーチング育児の中で伝授していますが、
いまいちばん認めて欲しがっているのはママたちなのかも
しれません。
コーチング育児の中で、ママの自信を取り戻す
プログラムもご用意するつもりです。
きょうもありがとうございました。