FBの絵本グループで教えてもらったコヤマスカンさんの本。図書館でさがして手に取った瞬間思わず吹き出してしまった。ウハハハ、マジか⁉️不染鉄じゃんw

え?不染鉄知らない?まあそれは後ほど。

『びっくりゆうえんち』
川北亮司:作   コマヤスカン:絵 教育画劇(2013年)   

それはまさにヘンテコワンダーランドな遊園地。やってきた一家は人間、なのか?人間なのか?キャラも乗り物もヘンテコづくしで1ページ目から見入ってしまう。一家はさっそく小さななつきちゃんに合わせて回転木馬に。この回転木馬からしてノーマルじゃないおかしな乗り物だけど、さてお次はなつきちゃんのひと声で巨大なジェットコースターに。

規格外のスケールのジェットコースター。ぐんぐんと天高く上昇したかと思うと一気に急降下してなんと海中に突入!さかなクンが狂喜しそうなお魚いっぱいの海の世界を息を止めて突っ走る。お次はなんと広大なサファリパーク。ヌーの群れが走りゾウやキリンやライオンがいるサバンナをジェットコースターで豪快に見渡す。

その後も真っ白な雪と氷の世界に巨大なグランドキャニオンやピラミッドが立つ砂漠と続き、さらには広大なジャングル…それもただのジャングルではない、なんと時空を超えた太古のジャングルで恐竜たちが闊歩する!恐竜の大群に囲まれるなつきちゃんたち。きゃー食べられるー!みんなは葉っぱで追い払おうとがんばるけどティラちゃんの鼻の穴とかツンツンしちゃダメでしょああほら言わんこっちゃない💦盛大にくしゃみされてジェットコースターまるごと空の彼方へ宇宙の彼方へ──

とにかく絵がハイテンションすぎてメチャクチャおもろい。見所満載どころか紙面から溢れんばかりの盛大なスケールで、これはもう何回もページめくって見入っちゃう。何度でもたのしめる絵本だと思う。子どもだけでなく大人も夢中になれる本で、これで1300円は安いなぁ。まさにコヤマスカンワールドがエンジンぶるぶる絶好調の全開ぶりで、なるほどこの一冊で絵本沼にハマったという方がいらっしゃるのも頷ける。

追記)
先に軽く触れた不染鉄、というのは、解説しておくと大正から昭和にかけて活躍した日本画家・不染鉄(ふせんてつ 1891~1976)のこと。聞き慣れない名前かもしれないけど近年再評価されてきてる方で、数年前には回顧展もあってそれで僕も存在を知ったぐらい。ちょっと独特な絵を描かれた方で、その代表作が《山海図絵(伊豆の追憶)1925年》。この絵見たら僕が表紙見ただけでおおーっとなった理由もわかるでしょ?コヤマスカンさんの独特のスタイルの源泉を見た思いがして、なるほどねぇーとひとり勝手に納得してたw


※添付は《山海図絵(伊豆の追憶)》 大正14(1925)年 木下美術館蔵から