村上豊(絵)
日本民話
鈴木出版 こどものくにより
むかし むかし
ある秋の日のこと
南風の男が
村の子どもたちがお堂の前で
遊んでいる子どもたちを
柿や梨がいっぱいなってるところに
連れて行ってやるといい
子どもたちは
南風の男が出した帯につかまり
ふわりと 空に舞い上がったかと思うと
ひと山 も ふた山も越えて
柿や梨がいっぱいなっている山まで
やってきた
子ども達は喜んで
柿や梨を食べていましたが
夕方になると
南風な男が急に おいらそろそろ
行かなくちゃと
子ども達を残してどこかに
飛び去ってしまいます。
困ったのは子ども達
どこの山に連れてこられたのかも
わからず
家にも帰れないと泣いていると
婆様が現れ
また気まぐれな南風の男の仕業だ
困ったもんだ
私が北風の男に
子ども達を村に帰してくれるよう
頼んであげるというのですが・・・
さぁ〜て!
このあと
子ども達が村に無事に帰れたのかは?!
『みなみかぜ と きたかぜ』を
手にとって確かめてみてくださいね〜♪
季節ごとに吹く風を季節風といいますが
夏から秋にかけて
太平洋から大陸に向かって
吹く風を南風
秋から冬にかけて
大陸から太平洋に向かって
吹く風を北風
といいますが
秋から冬に変わるこの時期に
南風から北風にいれかわる時期が
あります。
ちょうど今の時期がその時期に
近いのかもしれませんが
このお話は
そんな時期に起きた
南風と北風の
ちょっとした いたづらだったのかも?
しれませんね〜♪