インターバルを越えて | Ehon-de-Tea

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気になる絵本と音楽とアート
〜私の人生を彩るものたち

 

今年2月中旬に市立図書館でのお話会を担当してから、およそ7ヶ月間というもの、私は子どもたちにお話を語る機会は一度もありませんでした。

小学校の授業時間にあるお話会は今年度はほぼ見合わせることが決まり、近所の大型ショッピングモールの書店でのお話会は当面中止、また市立図書館のお話し会は未だ再開されず、早くて来月から…となっています。

 

そんな中、近隣小学校の学童保育での月1回のお話会だけが再開され、久しぶりに私も行かせてもらうことになりました。

話し手と子どもたちは2mくらい離れ、子どもたちは長机の向こう側にいて、そこから前には来れないようにしてありました。

私たちもフェイスシールドをつけていて声が少しその中で反響する感じもあり、以前と同じようにとはいかなかったですが、それでも生でその場を共有できる喜びがありました。

 

私は長いインターバルが開いたので、勘が鈍っているような気がしてドキドキでしたが、語り慣れた『文福茶釜』を語ったことと、子どもたちがじっと集中して聴いてくれるのに力をもらって、最後まで落ち着いて語れたかなと思います。

 

大型絵本は初心に返って?大御所に力をお借りするつもりで、

『キャベツくん』を持って行きました。

 

 

 

「知ってる~」「幼稚園にあった」「好き~」「やった、読んで」

色んな声が上がりましたが、みんなげらげら笑ってくれました。

このルール無用のナンセンスを屈託なく受け入れる子どもたちの大らかさというか自由さというか…改めてまぶしく羨ましく感じました。

 

それからつなぎに、谷川俊太郎さんの詩「かえる」も初披露。

 

 

 

 

 

 

 

この詩の最後が

 かあさんがえるは こがえるかかえる

 とうさんがえる いつかえる

となっているんですが、これを聞いた女の子が

「うちのお母さんもいつもお父さんに『何時に帰ってくるん?』ってLINEして訊いてるよ。そういうことやな。」と言ってました。

うふふふ、そうそう、そういうことかもね!って、詩の内容と自分の身近な日常に引き付けて聴いてくれたこと、嬉しく思いました。

なんて可愛らしいの。

31名の真剣な眼差しと笑い声に、私が前に進むための弾みをつけてもらった感じでした。

 

長くお休み状態が続いて、すっかりやる気も減退してしまっていて、私復帰できるのかしら・・・?と実は不安でしたが、久しぶりに子どもたちを前に語ってみると、やっぱりとても嬉しかったです。

 

コロナ禍の中今までどおりとはいかず、まだ課題も多いと感じますが、これ以上感染が急激に拡大したりせずに、何とか工夫しながらやっていけるといいなと思います。