↑博物館の外壁に飾られたレプリカ
ボストン美術館の収蔵品の素晴らしさをご紹介!という風情の展覧会で、古代エジプト美術から、中国・日本美術、フランス・アメリカ絵画、写真・版画、現代アートまでと広く展示されていました。
ところどころ、お!と目を惹くものも散りばめられていて、ボストン美術館の収蔵品の豊かさと素晴らしさを誇示していました。
が、どうしても焦点がぼやけた印象も拭えず…。
美術史総ざらいには足らず、一つ一つの分野は広がりや厚みに欠けるような気がしてしまいました。
いや、多分、もっと美術に造詣の深い方たちからしたら、私が何気なく見ていた一つ一つの作品の重みや美しさをわかって!ということなんでしょうね。
それでも、中国美術のコーナーの陳容作「九龍図巻」はとても面白かったし、日本美術の英一蝶の「涅槃図」も見事でした。
フランス絵画のコーナーはやはり好みのものが多く、ピサロの穏やかな光に満ちた風景画も良かったし、ミレーの3枚は小品ながらもさすがの描写力で美しかったです。
目玉の一つ、ゴッホのルーラン夫妻(正しくは「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」の2枚)は見応えありましたが、一般に思うゴッホらしさが前面に出てくる前の作品で、しかも夫妻の2枚の作風が異なっていて、短い人生の間に画風を変遷させたことが窺がえました。
そして、私の好きなモネの作品も4枚来ていて、中でも初めて見た
「くぼ地のヒナゲシ畑、ジヴェルニー近郊」という絵には感動しました。
ポストカードはあまりに色彩や受ける印象が本物とかけ離れていたので買わなかったのですが、気になる方はボストン美術館公式サイトにて「Monet」と検索してくださいね。
(公式サイトはコチラ→ http://www.mfa.org/search )
手前の可憐なポピーたちはもちろん美しいのですが、私が驚いたのはその背後の斜面の描写。
本当に何気ない窪地が、自然が織りなす美をたたえている様子を伝えてくれています。
素晴らしかったです。
ボストン美術館の展覧会は、この数年の間で訪れたのが4回目くらい。
日本美術の収集で世界的に有名だから、日本での展覧会開催が多いんでしょうか?
確かにいつも魅力的なラインナップではありますね。
<ボストン美術館に関する過去記事>