この分野からは、製造物責任法、消費生活用製品安全法、消費者安全法から毎年各5問くらいずつ(比率は若干変わります)出題されています。

普段の生活ではなじみの薄い分野なので、常識では得点が難しく、基本的な知識の習得は必要だと思います。

 

製造物責任法は通称PL法とも呼ばれ、平成27年度の穴埋め式の問題でその概要がつかめます。

 

・製造物の不具合による事故で損害を被った被害者が、製造業者に対して民法709条の不法行為に基づく損害賠償を請求するには、製造業者の過失、すなわち、当該製造業者に事故の発生を予見することが可能であり、かつ、その結果を回避することが可能であったにもかかわらず、結果を予見しかつ回避すべき義務を果たさなかったという注意義務違反を主張・立証する必要がある。

しかし、専門知識を有しない被害者が製造業者の過失を主張・立証することは困難が伴うことから、民法第709条の不法行為の特則として、被害者の保護を図るため、欠陥を責任要件とする製造物責任法が制定された。欠陥とは、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることであり、欠陥の有無は、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物の引渡しをした時期、その他の当該製造物にかかる事情等を考慮して判断される。

また、製造業者は、たとえ当該製造物に欠陥があっても、製造物の引渡しをした時の科学または技術に関する知見によっては、当該製造物に欠陥があることを認識することができなかったことを立証した場合には、賠償責任を負わない。これを開発危険の抗弁という。この開発危険の抗弁が認められるための「科学又は技術に関する知見」の水準は、入手可能な世界最高の科学技術知識の水準と解釈されている。(平成27年度)