ドン・キホーテやABCマートの衝撃告白!"座って接客"の裏側に隠された思いとは?

アルバイト情報サイト「マイナビバイト」が始めた「座ってイイッス PROJECT」が好調だ。立ちっぱなしでの接客による体への負担を軽減するため、店舗にオリジナルの折りたたみイス「マイナビバイトチェア」を導入。ドン・キホーテやABCマートなど大手企業も参加し、注目を集めている。この一見シンプルな取り組みの裏側には、働く人と企業双方の切実な思いが隠されていた。プロジェクトの反響から見えてきた "座って接客"の効果と、日本の職場環境の課題について迫る。

 

 

 

1. "座って接客"解禁!マイナビの斬新プロジェクト

マイナビバイトが、SANKEI社と共同開発した「マイナビバイトチェア」。安定感とコンパクトさを両立したこのイスを、接客中に使用することで職場の負担軽減を目指す。2023年夏にスタートしたプロジェクトには、大手小売チェーンなども参加。働き方改革に前向きな企業の共感を得ている。

 

画期的なのは、常識を覆す "座って接客"のスタイル。マイナビの調査では、73.3%の雇用主が座っての接客を容認しているものの、実際に導入しているのは23.3%にとどまる。「お客様からの印象悪化を懸念」という声が最多だが、「なんとなく」「きっかけがない」といった消極的な理由も目立った。マイナビバイトチェアは、この状況を変えるゲームチェンジャーになり得るか。

2. 予想外の反響!120社以上から問い合わせ殺到

プロジェクト開始当初は30社ほどに声をかけ、6社が参加。「様子見」の企業が多い中、トップを切って導入に踏み切ったのは働き方改革に積極的な企業だった。ところがプロジェクト発表後、予想外の反響が。120社以上もの企業から問い合わせが殺到したのだ。

 

テレビでの報道や大手企業の参加が追い風となり、小売や飲食だけでなく製造業や警備、受付など幅広い職種からの関心が集まった。働く人からも「生理痛や腰痛が和らいだ」「負担が減った」と好評で、SNSでは「もっとラクに働けるイスを」との声も。"座って接客"への社会の受容度の高さがうかがえる。

3. 働く人の7割が「満足」も、課題も浮き彫りに

マイナビの調査では、座って働くことを68%が肯定的に捉えている。体の負担軽減を実感し、思ったより客からの反応も良好だったようだ。一方で「客の視線が気になる」「忙しい時はイスが邪魔」といった課題も。働く人のストレスをどこまで取り除けるかが、"座って接客"定着のカギとなりそうだ。

 

プロジェクト開始から2カ月。採用への影響はまだみられないが、「求職者にとって魅力になり得る」と期待は高まる。加えて、働く人から寄せられた「接客中に水分補給したい」という切実な声。『お客様は神様』の意識が根強く、顧客の目前での飲水がはばかられている現状も浮き彫りになった。

4. 常識を覆す一石を投じたマイナビの挑戦

マイナビは "座って接客"の導入拡大と並行して、新たな職場環境改善にも着手する構え。特設サイトには想定以上の意見が寄せられ、働く人の切実な想いに触れる機会にもなった。コンプライアンスを守りつつ、過剰な我慢を強いない環境づくりが求められている。

 

「これまで当たり前とされてきた概念を変えるような取り組みを」とマイナビ。世間の反応の大きさは、"座って接客"への共感の表れだろう。米国では小売店のレジで座っての接客が一般的という。日本でもマイナビの一石が、職場環境を大きく変える転換点になるかもしれない。働く人の心と体に寄り添う形で、"当たり前"がアップデートされる日は近いのではないだろうか。

まとめ

マイナビの「座ってイイッス PROJECT」は、常識に風穴を開ける挑戦だ。大手企業の参加表明と社会の大きな反響は、"座って接客"への潜在的ニーズの表れといえる。体への負担を和らげ、より人間らしく働ける環境づくりは、もはや避けて通れない課題だ。

 

日本の職場環境の改善に向けて、マイナビの取り組みは大きな一歩となった。働く人の切実な声に耳を傾け、当たり前を見直す姿勢は、他の企業や業界にも影響を与えるだろう。ここから、働き方を根本から見つめ直す議論が活発になることを期待したい。

 

マイナビの南波氏は「より良い職場環境のために、これまで当たり前とされてきた概念を変えるような取り組みをしていきたい」と力強く語った。その言葉通り、一石を投じるだけでなく、具体的なアクションを重ねることで、本質的な変化が訪れるはずだ。"座って接客"は、働き方改革の新たなシンボルになり得る。マイナビの挑戦に、大きなエールを送りたい。