スノーピーク未発売商品がフリマアプリで流通!企業の情報管理に問題か

概要

アウトドア用品大手のスノーピークは、発売日が未定となっている新商品「セパレートIGT」シリーズの一部が、フリーマーケットアプリなどで販売されていることが明らかになりました。同社は一部の通販サイトで予約注文をした購入者に誤って商品を発送してしまったことを認め、購入者に返品を呼びかけるとともに、フリマアプリでの購入を控えるよう呼びかけています。

 

この出来事は、企業の情報管理のあり方に問題を投げかけるものです。発売前の商品情報や在庫管理について、より徹底した対策が求められるでしょう。同時に、消費者としても、フリマアプリで出回る非正規品の購入には注意が必要です。正規品と異なる品質やアフターサービスのリスクについて、理解を深めておく必要があります。

 

 

 

スノーピークの誤発送が招いた商品流出

スノーピークが発売を延期していた新商品「セパレートIGT」シリーズですが、一部の通販サイトで予約注文をした購入者に誤って商品が発送されてしまったことが明らかになりました。本来なら厳重に管理されているはずの未発売品が、こうして市場に出回ってしまうのは企業にとって大きな痛手です。

 

情報社会が進展した現代では、ひとたび商品が消費者の手に渡れば、SNSやフリマアプリを通じて一気に拡散されてしまいます。企業は発売前の商品情報の管理により一層の注意を払うとともに、物流システムの再点検も求められるでしょう。今回のような商品流出は、ブランドイメージの低下にもつながりかねません。スノーピークには、再発防止に向けた取り組みが期待されます。

消費者に求められるフリマアプリ利用の注意点

一方で、消費者にも注意が必要なのがフリマアプリの利用です。フリマアプリの普及により、誰でも簡単に物品を売買できる時代になりました。しかし、販売されている商品の中には、メーカーが正規に製造・販売したものではない商品も少なくありません。品質の面でも、正規品と全く同じとは限りません。

 

例えるなら、偽ブランド品の購入と同じようなリスクがあると言えるでしょう。見た目は同じでも、素材の質や縫製の雑さ、はがれやすいプリントなど、正規品とは品質に雲泥の差があることも珍しくありません。フリマアプリで購入する際は、正規品と異なる可能性を念頭に置いて、慎重に検討することが大切です。

企業の対応が問われる product-harm crisis

製品の欠陥や不具合によって、企業の信頼が損なわれる事態を product-harm crisis と呼びます。今回のスノーピークの一件は、厳密にはこれに該当しませんが、未発売品の流出という点で、crisis 対応力が問われる事例だと言えるでしょう。

 

product-harm crisis が起これば、売上げの低下はもちろん、ブランド価値の毀損にもつながりかねません。危機管理の専門家は、迅速な情報開示とステークホルダーとのコミュニケーション、原因究明と再発防止策の提示などが重要だと指摘します。スノーピークも、今回の教訓を生かし、二度とこうした事態を起こさぬよう、管理体制の見直しを図る必要がありそうです。

アウトドア業界への影響は?

今回の事件は、スノーピーク1社の問題にとどまらず、アウトドア業界全体に対する消費者の信頼をも揺るがしかねません。アウトドアブームが追い風となり、多くのメーカーが新商品の開発に力を入れる中、発売前の情報管理の甘さが露呈したことで、業界のイメージダウンにつながる可能性もあります。

 

アウトドア活動は、自然の中で心身をリフレッシュする大切な機会です。そのために必要な道具を提供するアウトドアメーカーへの信頼は、業界の発展にとって不可欠の要素でしょう。今後、各社には情報管理の徹底はもちろん、万が一の product-harm crisis への備えも一層求められることになりそうです。

まとめ

未発売の新商品がフリマアプリに流出するという、まさに想定外の事態に見舞われたスノーピーク。ブランドイメージの回復に向けて、同社の crisis management が問われる事件となりました。

 

企業に求められるのは、情報管理の強化はもちろん、消費者とのコミュニケーションを通じた信頼の回復です。アウトドアという自然との触れ合いの場を提供する業界だけに、消費者との絆を大切にする姿勢が何より重要だと言えるでしょう。

消費者もフリマアプリの利用には注意が必要です。「格安だから」と安易に飛びつくのではなく、正規品ならではの品質の高さ、アフターサービスの充実さを再認識することが大切だと、この事件は私たちに教えてくれています。

 

スノーピークの一日も早い信頼回復を願うとともに、アウトドア業界が消費者との信頼関係をさらに深めていくことを期待したいと思います。