国際ワンギリ詐欺の脅威とは?スリランカから謎の深夜着信が相次ぐ

 

深夜の静けさを破る、「+94」から始まる見慣れない国際番号からの着信。それは、国際ワンギリ詐欺の影に潜む罠かもしれません。最近、スリランカからの不可解な電話が頻発し、多くの人が戸惑いを隠せずにいます。一体、この謎の着信の正体は何なのでしょうか?

 

 

 

謎の深夜着信、その狙いとは?

 

国際ワンギリ詐欺の手口は巧妙です。犯罪グループは、わざと夜中の寝静まった時間帯を狙って電話をかけてきます。受信者が眠気に襲われながらも電話に出ると、すぐに切られてしまう。そのため「もしかして大事な用件では?」と思わせ、つい折り返したくなる心理を巧みに突いているのです。

 

実際に被害に遭った男性は、「夜中の2時ごろに鳴った電話。寝ているときですから本当に迷惑この上ない。スリランカに知人がいるわけでもないのに…」と、その不可解さを嘆きます。知らない番号からの着信に、思わず頭を悩ませてしまった人も多いのではないでしょうか。

 

折り返し電話の先に待ち構える、悪質なトラップ

 

気になって折り返してみると、そこには巧妙な罠が待ち構えていました。「このまま待機してください」という日本語の自動音声が流れ、知らないうちに長時間の通話料金が発生してしまうのです。まるでホラー映画のワンシーンのような、ゾッとする手口と言えるでしょう。

 

ITジャーナリストの三上洋氏は、「折り返した電話料金が、犯罪グループの懐に直接入る仕組みになっている」と指摘します。日本からの国際電話料金は現地の電話会社に支払われ、そこから犯罪グループにキックバックされるという、巧妙な資金洗浄の手口があるのです。

 

犯罪グループの暗躍と、国際的な代行ネットワーク

 

国際ワンギリ詐欺の黒幕は、スリランカにいるとは限りません。三上氏によれば、「『代行してあげるよ』というブローカーが存在し、犯罪グループからの依頼に応じて各国の電話会社と契約する」のだそうです。つまり、実行犯はスリランカの電話を使いつつも、指示を出している本体は別の国にいる可能性が高いのです。

 

さらに三上氏は、「犯罪グループのほとんどは香港やシンガポールなどの国際都市に潜伏している」と推測します。資金と情報が行き交う大都市を拠点に、国境を超えた犯罪ネットワークを築いているのかもしれません。まさに、グローバル化した犯罪の脅威と言えるでしょう。

 

国際ワンギリ詐欺の被害実態と、対策の重要性

 

国際ワンギリ詐欺の手口は「1分10円というビジネス」と、三上氏は言います。1件あたりの被害額は小さいものの、自動化された大量の架電によって莫大な利益を上げているのです。スマートフォンの普及により、世界中どこでも簡単に電話ができる時代。その利便性を逆手に取った、巧妙な犯罪手法と言えるでしょう。

 

実際、国際ワンギリ詐欺は世界的な問題となっています。過去には、アセンション島やモーリタニア、パプアニューギニアなど、聞き慣れない国や地域からの着信が報告されています。日本だけでなく、グローバルに被害が拡大しているのです。

 

まとめ

国際ワンギリ詐欺は、私たちの日常に潜む新たな脅威です。深夜の謎の着信、ワンクリックで発生する高額な通話料、そして国境を越えた犯罪ネットワーク。けれども、正体を知ることでその脅威に立ち向かうことができます。不審な国際電話には折り返さず、詐欺の手口を周りにも伝えていくこと。一人一人の心がけが、犯罪の芽を摘むことにつながるのです。