「経木」の魅力再発見!その薄さ0.18ミリの秘密

 

テレビユー福島が報じたニュースによれば、プラスチックごみの削減に繋がるとして注目を集めている「経木」が、今再び脚光を浴びています。経木とは、木を薄く削って作られる自然素材で、その厚さはなんと0.18ミリ!一見して普通の木材と何が違うのか、その秘密に迫ります。

 

 

 

経木とは何か?その歴史と特徴

 

経木とは、木を非常に薄く削って作られるシート状の素材のことです。昭和30年代には食品の包装などに広く使われていましたが、プラスチック製品の普及と共に姿を消しました。しかし、自然由来の抗菌効果や水分調整機能があるため、再び注目されています。

 

たとえば、昔の日本では、経木を使って寿司を包んだり、漬物を包んだりしていました。抗菌シートのような役割を果たし、食品を清潔に保つことができたのです。

 

また、経木のもう一つの特徴はその薄さです。厚さ0.18ミリというのは、紙よりも薄いということです。これは、非常に細かく削る技術が求められ、手作業で行われることが多いです。

 

「弁当のかど家」が採用した理由とは?

 

福島県只見町にある「弁当のかど家」の店長、五十嵐民枝さんは、経木を採用した理由について次のように語っています。

 

「これは、経木といいます。(以前は)抗菌シートを使っていたんですけど、やっぱり自然のものがいいなと前から思っていたので。只見町で経木を作っているというのを聞いて、使い始めました」

 

五十嵐さんは、抗菌シートを使用していましたが、自然素材の良さに魅力を感じ、経木を採用することにしました。これにより、弁当の品質を保ちながら、環境にも優しい包装が実現しました。

 

また、経木の採用は、弁当の見た目にも良い影響を与えています。木の自然な色合いが、弁当の中身をより引き立て、美味しさを視覚的にもアピールすることができるのです。

 

セイワ電子の挑戦:経木製造への転身

 

 

 

セイワ電子の目黒道人社長(50)は、カメラ部品などの組み立てを主に行ってきましたが、時代の流れとともに仕事が減少。そこで、経木の製造に着手しました。

 

「環境に配慮したものが消費者に支持されたり、多少高くとも品質のいいものを求める消費者の方が、いま増えていると感じる。一周まわってもしかしたら新しい素材として、消費者の皆さんに受け入れていただけるなら、逆に需要が拡大することだって見込めるんじゃないかと」

 

目黒さんは、経木が再び注目される素材になる可能性を感じ、製造を始めました。しかし、経木製造には多くの試行錯誤が伴いました。

 

たとえば、経木を削る機械の組み立てには約1年を要しました。譲り受けた機械は昭和42年製で、部品も古く、どのパーツがどの機械に当てはまるのかが全くわからない状態でした。試行錯誤を繰り返しながら、自分たちで修理し、何とか機械を動かせるようにしたのです。

 

さらに、経木に使用する南会津産のアカマツについても試行錯誤が続きました。木の性質やカンナの刃の仕立て方、仕上げ方がわからず、試行錯誤を繰り返しながら、安定した品質の経木を作ることに成功しました。

 

次に、セイワ電子が目指す経木の未来について見てみましょう。

 

セイワ電子の経木が世界へ!その未来とは?

 

目黒道人社長は、セイワ電子の経木を世界に発信することを目指しています。特に、日本食ブームに乗じて、経木を海外に広めたいと考えています。

 

日本食ブームとの連携

 

「(海外での)日本食ブームに乗って、この経木も海外に発信できたらいいんじゃないかと。訪日外国人の方も多くいるので、彼らの目に留まるような飲食店での経木の使われ方も訴求していきたいと思っています」

 

目黒さんは、日本食ブームを活かして経木を広めることを考えています。例えば、寿司や刺身の包装に経木を使うことで、海外の消費者にもその魅力を伝えることができると考えています。

 

また、訪日外国人が多い日本の飲食店でも、経木の使用を訴求することで、経木の存在をアピールすることができるでしょう。

 

環境問題への取り組み

 

経木のもう一つの魅力は、環境に優しい素材であることです。プラスチックごみの削減に繋がるとして、環境問題に敏感な消費者からの支持を得ています。

 

例えば、プラスチック製の包装材を経木に置き換えることで、環境への負荷を減らすことができます。経木は自然素材であり、使用後も自然に還ることができるため、環境に優しいのです。

 

セイワ電子は、環境問題に取り組む企業としての姿勢を示し、消費者からの信頼を得ることを目指しています。

 

新しい市場への挑戦

 

目黒さんは、経木の新しい市場への挑戦も考えています。例えば、食品包装だけでなく、さまざまな用途に経木を広めることを目指しています。

 

たとえば、経木を使ったインテリアや雑貨など、新しい製品を開発することで、市場の拡大を図ります。経木の薄さや自然素材の特性を活かした製品は、消費者に新しい価値を提供することができるでしょう。

 

これからもセイワ電子の挑戦は続きます。次は、経木の使用例について見てみましょう。

 

経木のさまざまな使用例:アイデア次第で無限の可能性

 

経木は、その特性を活かしてさまざまな用途に利用することができます。以下では、いくつかの使用例を紹介します。

 

食品包装としての利用

 

経木は、食品包装として最も広く利用されています。抗菌効果や水分調整機能があるため、食品を清潔に保つことができます。

 

たとえば、寿司や刺身の包装に経木を使うことで、食品の鮮度を保ちながら、美味しさを引き立てることができます。また、弁当の包装にも最適で、見た目にも美しい仕上がりになります。

 

インテリアや雑貨としての利用

 

経木は、インテリアや雑貨としても利用できます。木の自然な風合いを活かした製品は、温かみのある雰囲気を演出することができます。

 

例えば、経木を使ったランプシェードやフォトフレームなど、アイデア次第でさまざまな製品が作れます。経木の薄さを活かしたデザインは、軽やかでありながらも丈夫で、長く使うことができます。

 

環境教育の教材としての利用

 

経木は、環境教育の教材としても利用できます。自然素材である経木を通じて、環境問題について学ぶことができます。

 

たとえば、小学校や中学校の授業で、経木を使った工作を通じて、自然素材の良さや環境保護の重要性を学ぶことができます。経木を使った工作は、子どもたちにも親しみやすく、楽しく学ぶことができます。

 

このように、経木はさまざまな用途に利用することができ、その可能性は無限です。

 

まとめ:経木の未来に期待

 

経木は、その特性を活かしてさまざまな用途に利用されることができ、環境に優しい素材として再び注目を集めています。セイワ電子の目黒道人社長が、経木の製造に取り組む背景には、プラスチックごみの削減や環境保護への強い思いがありました。その結果、経木は日本国内のみならず、世界へも広がる可能性を秘めています。

 

経木の魅力は、その自然由来の抗菌効果や水分調整機能にあります。これにより、食品の包装材として最適であり、寿司や刺身、弁当などの食品を美味しく保つことができます。また、経木の薄さ0.18ミリという特徴は、軽量でありながらも丈夫で、さまざまなデザインや用途に対応できる点も魅力です。

 

セイワ電子の経木は、環境問題に敏感な消費者からの支持を得ており、今後も需要が拡大することが期待されます。特に、日本食ブームに乗じて、経木が海外でも注目されることでしょう。経木を使った新しい製品や市場の開拓は、経木の可能性をさらに広げることになるでしょう。

 

これからも、経木の新しい利用方法や市場の拡大に注目し、その未来に期待したいと思います。