真央ちゃんはトリプルアクセルを飛んで頑張っているというのに、トヨタの社長さまは、「アクセル」の件で、米国議会で叩かれております。
この自動車問題が日米の経済関係を揺さぶるだけではなさそうです。
日本の企業体質や法律制度までをも米国と批判的に比較して、文化論、社会論の形で日本全体にネガティブな影響を与えようとしているようです。
トヨタは米国で自社製品の販売を50年、生産を25年続けてきました。
その製品は一般米国民に愛好され、米国内十数カ所の工場は20万人近くの雇用を生み、巨大な販売網が全土に確立され、販売台数で全米1位という実績に、トヨタがどれほど米国社会に同化したかを示しています。
米国やヨーロッパの自動車会社は、自国でしか生産してないのでは・・・?
今回の展開は「米国民の生命への危険」が前面に押し出されただけでなく、米国政治の複雑な要因もからみ、日米安全保障など他の領域にも影響を及ぼしかねない潜在危機をもはらんでいます。
米議会側は、トヨタ車に「突然の加速」を生む欠陥があると技術的な取り組みに焦点をしぼり、事故の犠牲になった家族らをも証人とし、米国民の生命への危険をトヨタの責任とする激しい攻撃基調で、悪役として議会の追及の的とされてしまいました。
その理由はやはり、実際に起きたトヨタ車の事故の特異な状況とトヨタ側の当初の反応の鈍さ、危機管理の欠如でしょう。
その非難が豊田社長自身の証言への強い要求という形をとったのは、米国社会でのトヨタの存在の巨大さを物語っています。
しかし、トヨタ非難の広がりの速度や規模には、アメリカが抱える次のような要因がからんでいる可能性があると思います。
(政治)
○オバマ政権の政策不振の非難をかわすため。
○議会の政党勢力構図として、米国の自動車企業を抱える中西部、北部の民主党議員たちのトヨタ糾弾チームと、一方、トヨタの工場を抱える南部などの共和党議員たちのトヨタ擁護チームといった構図。
(経済)
○事実上、国有化したGM(ゼネラル・モーターズ)が、この春にプラグインのハイブリッド車を新発売するための側面的支援という考え方。
(軍事)
○鳩山民主党政権下の煮え切らない沖縄米軍基地移転問題にプレッシャーをかけ、普天間基地移転交渉を有利に展開したい。
いずれにしても、この問題は一企業の問題だけではなく、鳩山総理の施政方針演説にある、「国民の命を守る」という、つまり「国益」を損なわないよう、いかに外交政策を二ポンにとって有利に展開していくか、ということではないでしょうか。
二ポン政府は、TVドラマ「不毛地帯」に見る、戦後から高度経済成長時代の頃の方が、「国益」「国策」という概念に真剣だったような気がします。