マイクロストラテジーの新しい優先株、STRC
こんにちは!古典部員です!
ビットコインを戦略的に備蓄する会社で有名なマイクロストラテジー(MSTR)が、
新しい優先株の上場を発表しました。
皆様の大部分がご存知どおり、
マイクロストラテジーは既に優先株があります。(STRKなど)
ですが、今回発表した優先株はその構造が独特なので話題です!![]()
*本記事は2025年7月30日の市況を扱っています。
1.月配当を支給する優先株
まず、この商品の公式的な名前は
「Microstrategy 9 Perp Stretch Prf Shs Ser A Var Rate」です。
この名前を見ると商品の特徴を大体把握できます。
まず、「9」は9%の月配当を支給する意味で、
「Perp」は満期がない社債という意味です。(優先株がそもそもそんなものなんですけど)
「Prf Shs」は優先株という意味で、「Ser A」はシリーズAということです。
その上、この商品は「Var Rate」、つまり変動金利商品と言う意味です。
まとめると、9%をターゲットにする変動金利を支給する優先株ですね!
配当ETFで有名なJEPIやJEPQの8~10%より少し低い配当率です!
2.なにが不思議か?
この記事のタイトルように、STRCを注目すべき理由はその金融工学的な構造です。
マイクロストラテジーはこの商品の額面価格100ドルで、500万株を発行するつもりです。
ですが、上場公募(IPO)価格は90ドルです。
マイクロストラテジーが維持したいこの商品の価格は100ドルです。
では、もし100ドルを超える場合は?
この場合はマイクロストラテジーは2つの方法を通じて価格を下げます。
まず配当率を下げります。その上、時価発行(ATM)で流通量を増やします。
反対に、100ドル以下になる場合は?
さっきの方法と反対に、配当率を上げりながら、株式を買い戻します。![]()
こう見ると一見、マイクロストラテジーに損だと思うかも知れません。その通りです。![]()
が、マイクロストラテジーは長期的にビットコインの数量を増やすのが目的なので、
ずっとこんな方法で資金を調達することです。
3.なら配当はどんな方法で調整するのか?
これがSTRCに投資したい人に大事な問題だと思います!
STRCの構造によって、STRCは配当率を毎月末に調整します。![]()
ですが、配当率再宣言の「条件」があります。
まず、配当率がSOFR(担保付翌日物調達金利)金利よりは高くあるべきです。
(SOFRは米国債が担保の無危険最低金利だと考えると便利です)
現在のSOFR金利は約4.35%ぐらい。
(つまり、STRCのターゲット配当率はSOFR金利のほぼ2倍!)
二番目の条件で、配当率は一カ月に最大0.25%変動できます。
が、SOFR金利が変動した場合その分だけ追加的に変動させることができます。
例えば、今月0.25%下げることを決めたんだが、SOFR金利が0.25%下落したら、
合わせて0.5%の配当率を減少することが出来るという話です。
三番目は、「未支給」配当が残っている場合、配当率を引き下げるのが不可能だということ。
つまり、上記の条件のせいで配当率が急変することは普通出来ないということです。
4.総評
上記通り、安全に月配当を受け取ることが出来る商品で、
1週前に計画が発表されたばかりなんですけど、ネット上には人気を集めています!
結構魅力的な商品なので、月配当に関心があれば投資してみても良いと思います!
※ 注意事項:
本記事は個人的な投資の学習と記録を目的としたものであり、
特定の銘柄や分野の推奨または見通しを示すものではありません。
投資判断は必ずご自身の判断と責任のもとで行ってください。
参考資料
1.Strategy Announces Proposed Initial Public Offering of STRC Stock