日本国内の銀行為替の仕組み:

例:肥後銀行に口座を持つ人(Aさん)が、東京に出張し、銀座の三菱UFJ銀行のATMでお金を引き出したとき、それぞれの銀行システムと、肥後銀行と三菱UFJ銀行の間のそのお金の決済の仕組みである。

 

① Aさんは、キャッシュカードをATMに挿入し、暗証番号と引き出し金額5万円を入力する。

② ATMはキャッシュカードから、肥後銀行の銀行コードと支店コードを読み取り、Aさんが入力した暗証番号と5万円出金の情報と合わせて、三菱UFJ銀行のシステムへ送信する。

③ 三菱UFJ銀行システムでは、ATMから送られた銀行コードを識別し、これは自分の銀行ではなく、他行(肥後銀行)の取引であると判別して、全銀協システム経由で、肥後銀行のシステムへ該当取引情報を伝達する。

 

④ 全銀協システム経由で、自分の顧客であるAさんからの該当取引情報を受け取った肥後銀行システムでは、入力された暗証番号で、Aさん本人からの要求であること、と出金5万円が、Aさんの口座残高で支払えるかを確認する。

⑤ Aさん本人からの要求であることと、口座残高が5万円以上であることを確認した肥後銀行システムは、全銀協システム経由で、三菱UFJ銀行システムへ、Aさんの取引(5万円出金)はOKです、との返事を送信する。

⑥ 肥後銀行から、Aさんの取引(5万円出金)はOKとの返事を受け取った三菱UFJ銀行システムは、

⑦ 銀座の該当ATMに対して、5万円出金OKを指示する。

⑧ 5万円出金OKの指示を受けた該当ATMは、キャッシュボックスから5万円を数えて取り出し、出金ポケットに入れる。 Aさんは出金ポケットから5万円を取り出す。 出金ポケットのセンサーが、5万円の札束が取り出されたことをセンスし、該当ATMは三菱UFJ銀行システムへ、「出金完了」の報告を送る。

⑨ 三菱銀行システムは、全銀協システム経由で、肥後銀行システムへ「Aさんが、ATMから5万円受け取られました」と連絡する。

⑩ 5万円出金済みの連絡を肥後銀行システムは受け取る。

⑪ 肥後銀行システムは、Aさんの口座の元帳に、○○月△△日、出金5万円と記帳し、5万円を差し引いた新残高を計算して、元帳残高も更新する。

 

⑫ 以上で、AさんとATM(三菱UFJ銀行の)と肥後銀行システムの間の一連の取引データの処理は完了。 ただし、実際に金を払ったのは三菱UFJ銀行であり、その代金5万円を肥後銀行に請求し回収する仕事が残っている。

この銀行間の建て替え払い金の決済は、全銀協システム経由で、それぞれの銀行システムが日本銀行システムとオンラインで接続しているので、日銀システム内で、日銀にある肥後銀行の口座から三菱UFJ銀行の口座へ、5万円を移すことで、自動的に決済される。

 

以上。