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学習塾のご検討の前に

成績を伸ばす方法や勉強の必要性、塾選びのポイントなど、勉強に悩むすべての青少年、保護者さまへ

塾はおそらくあなたの想像以上に費用がかかる

 

今から塾を検討しようかな…と考えているお父様お母様。

正直にお答えください。ぶっちゃけどのくらいの費用を見込んでいますか?

 

「愛しいわが子の将来のことだ!費用に糸目はつけない!」

と考えておられる方もいらっしゃるかも知れません。ですがどうでしょう。こちらのご家庭では思わぬ出費に寝込まれたとか…

 

日本では学校以外で勉強を教えてもらおうとすると、基本的にお金がかかります。

そして、想定より安くはすまないことがほとんどだと思います。

 

現役時代にご自身も塾に通われていた方も多いと思います。

自分の通っている塾のお月謝がどのくらいの金額だったかを覚えている方もおられるでしょう。

昔は習い事といえば「月謝袋」といった封筒に現金を入れて、先生に直接手渡しするのが主流でしたしね。

 

では現在の学習塾形態と、おおよその費用についてお話ししていきます。

 

現代は個別指導塾が主流

「塾」でグーグル検索するとトップに表示される塾ナビという比較サイトをご覧いただければ、上位表示のほとんどがいわゆる「個別指導塾」になっているのではないでしょうか。少なくとも東京エリアで検索するとそうでした。

 

個別指導塾が台頭してきた原因は他記事で述べさせていただきますが、ここではメリットデメリットをお話しさせてください。

 

まずメリットですが、

・他の生徒の授業内容、進度に関係なく自分だけにカスタマイズされたカリキュラム

・先生とコミュニケーションがとりやすく、おとなしめの子でも質問しやすい

・授業のスケジュールに融通が利きやすい

 

大きくは以上が挙げられるのではないでしょうか?

 

次にデメリットです。

・集団塾と比較して多額の費用がかかる

・他の生徒から刺激を受けることは少ない

・先生との相性が悪ければ費用と時間の大きな無駄が出る

 

個別指導塾の料金ですが、各社1コマの時間が概ね60分~90分と幅があり、同じ系列でも地域によって違ったりするので一概には言えないのですが、

 

週1コマ(1教科)で

◇小学生 12000円~25000円

◇中学生 15000円~30000円

◇高校生 18000円~40000円

 

週2コマ(1~3教科程度)で

◇小学生 18000円~28000円

◇中学生 25000円~50000円

◇高校生 32000円~60000円

 

程度かそれ以上が相場になってくるでしょう。塾にもよりますが入塾金やテキスト代なども入ってくるので、初期費用はもっとかかります。入会時に当月と翌月分の授業料を請求してくるところが多いですので、初月は10万円以上の出費になることも十分考えられます。さらに季節講習では…。

個別指導といっても1対1のマンツーマンから1対3くらいのものまであり、このあたりも幅が広くなる一因です。

ただ、費用という1点がクリアになり、相性の良い先生、教室長に巡り合えれば、成績を上げるということにおいては非常に頼りになると思います。各社、体験授業は必ず行っているでしょうし、場合によっては1か月ほど無料で通わせてくれるところもあるので、じっくり決める時間がおありなら何社も受けてみて最適なところを探してみてください。

ただし、少子化の時代、塾側も生徒の確保に躍起になっているため、なかなか阿漕なことをしてくることもあります。例えばA教室に体験授業の申し込みがあった日だけ、系列のB教室から非常に評判の良い先生を派遣するということを聞いたこともあります。体験授業が気に入ったなら、その先生でずっとお願いできるかを確認したほうがよいでしょう。

個別指導塾の詳細についてはまた今後、記事にしますのでよろしければそちらもご覧ください。

 

 

少なくなったとはいえ集団塾も選択肢

上記のように、最近は個別指導塾が台頭し、集団塾は少なくなりました。住居の1階を教室にした住宅兼学習塾といった、昔ながらの形態はいわゆる大手といわれる有名進学塾にほとんど淘汰されてしまいました。とはいえ、現在も営業されている個人や中小規模の塾もあります。淘汰の波にさらされながらも存続している個人塾は、実はとんでもないやり手の素晴らしい塾であることが少なくありません。

地域で何年も続けている塾は、実はその地域の受験に滅法強いということがあります。社員の入れ替わりや転勤がある大手経営の学習塾に比べ、中学高校と独自のパイプを持っていることもありえ、受験問題の傾向や定員、果ては進学実績や就職実績まで完璧に網羅している先生もおられるので、「あそこの塾は古臭いからやめとこう」と安易に除外するのは勿体ないですね。もちろん、中には定年退職されたおじいちゃんが暇つぶしにやっているようなところもゼロではないので、通っている生徒や保護者とつながりがあるのでしたらまずは情報収集をしてみましょう。

 

集団塾に通うメリット

・上記のように、地域の受験に独自のノウハウを持っている可能性がある

・負けん気の強い子は、友達やライバルと通うことでモチベーションになる

・個別指導塾に比べて費用が安い

 

対してデメリット

・すべての生徒の単一授業だと、レベルが合わない可能性がある

・明確に開講時間が決まっており、病欠などが丸損になるケースが多い

・大人しい生徒は質問をしづらく、わからなくてもそのまま帰ってくることがあり、先生も気づきにくい

 

気を付けてほしいのは、集団塾はまず「進学塾」が前提であり、一定レベル以上の偏差値を想定した授業を受験に間に合うスケジュールで進めていくため、基礎学力が伴っていない生徒はついていくことが難しいです。

あまり深く考えずに、「地域でも評判の塾に通わせることにしたから安心!」と保護者は思っていて、肝心の本人は理解できた手ごたえもなく、お父さんお母さんを心配させたくない一心でそれでも黙って通い、成績が向上することなく、下手をすると下がり続け、取り返しのつかないことになる悲劇は実際に存在します。

社交的で負けず嫌いの子は集団塾に向いているといえます。物怖じせずに先生に質問でき、先生側も生徒の理解度を確認することができるため先生側も助かりますね。

 

肝心の費用ですが、これは個別指導塾以上にバラつきが大きいため、個人・中小塾と大手進学塾で分けてざっくりと記載させていただきます。

 

週2回(英数もしくは算国の週2想定)

◇小学生

 小規模 10000円~18000円

 大手塾 15000円~30000円

◇中学生

 小規模 15000円~20000円 

 大手塾 18000円~30000円

◇高校生

 大手塾 24000円~45000円

 

高校生対象の中小集団塾というのは大変数が少ないため、このように記載しています。個別指導でもそうですが、受験を控えた高3は授業料単価が跳ね上がる傾向にあります。また、小学生でも中学受験コースや、中学生対象の難関校受験コースなどは高額になる傾向にあります。注意点としては、高校生対応のコースを開講している塾でも、実業系の高校の生徒は入塾を断られるケースがあります。理由は、進学校(普通校)と高校の授業のカリキュラムが違うからです。今後、高校選びのポイントや高校のカリキュラムについても記事にしていくつもりですが、乱暴に言うと、普通校の高1で習うことを実業系高校では高3でようやく習うことも珍しくありません。ですので、実業系高校で赤点対策のために塾を検討する場合、ほぼ個別指導塾しか選択肢がなくなるということを明言しておきます。

 

いかがでしたでしょうか?

ざっくりと個別指導塾・集団塾の特徴と月額費用について解説しましたが、ご不明な点、ご質問などもぜひコメントいただければと思います。

 

上記はあくまで目安であって、立地やコースなどで変動しますし、集団塾でも「少人数コース」などを併設していることもあり、その場合は個別ほどではありませんがやはり費用が高くなることが多いです。また、夏期講習や春期講習、冬期講習、受験直前講習など、様々な特別講習もありますし、教材費用もさらにかかってきます。

 

費用をあらかじめ知って備えておくことで、後悔しない選択がきっとできるようになりますよ!