前回は急性期(その時その時に出てくる思い)の感情についてお話しました。

今日は慢性期(長い間抱いてきた思い)の感情についてお話します。
このような長年の感情に捕らわれた場合、感情を味わい・認め・信じ・受け入れてから感情の原因となる価値観を外していきます。


死をテーマに研究を行なっていたドクターでエリザベス・キューブロスという方がいらっしゃいます。初めて知ったのは、看護学校の授業でした。
キューブラー・ロス「死ぬ瞬間」(鈴木晶訳 中公文庫)という本の中で発表した「死の受容のプロセス」というのがあります、カウンセリングを行なっていく中で感情の移り変わりに、似たようなことが起こっていることに気付きました。

【死の受容のプロセス】
否認
自分を疑う段階
怒り
怒りを周囲に向ける段階
取引
何とかしようと取引を試みる、何かにすがろうという心理状態
抑うつ
何も出来なくなる状態
受容
最終的に受け入れる段階

看護師時代、ターミナルケアを経験したことがあり、このプロセスを何度見てきたことか・・。全てがこのような経過をたどるわけではないということをキューブラロスは本の中で書いています。
その通りで、前後したり、飛び抜かしたり同じ所を行ったりきたりしている場合が見受けられます。
このプロセスを知っておけば、なんとなく自分がどの段階にいるかがわかり落ち着くと思います。人はそのもののプロセスに気付くと安心するものなのです。
安心しリラックスした所で、慢性的な感情に向き合います。

慢性的に捕らわれている感情は、インナーチャイルドかもしれないし、過去世の繰り返しか、もしくはそれ以外の原因で起こっているかもしれません。いつからその価値観を握ってしまったかは人それぞれです。
また対策としてはその感情と対話したり、時にはその感情を表現することが必要なときがあります。感情を浄化したり、統合したりする方法は様々で、同じ方法ではないのです。

大まかに効果のある方法をここではご紹介いたします。
しかし注意していただきたいことがあります。
そのネガティブな感情はあなたの一部です、受け入れていくことを前提に考えます。
攻撃したり、嫌ったりしないでください。
この方法が全てではなく、自分のやり方で発展していってください。

それではお伝えいたします。

感情は味わうことで消えていきます。味わうにも色々な方法があります。
その中の一つで、感情を形や色、重さ、大きさなどで表す方法です。
実際には感情にそんなものはありません、イメージで行なっていきます。
そうすることによって人はその感情をジャッジしたり、原因や理由を探したりせず味わうことが出来ます。
頭で感情を処理してしまうと味わうことをやめてしまう為、心の奥にしまいこまれ何かあるたびに出てきてしまうということになります。

感情がイメージできたら触ります。
優しくなでるように。
優しく話しかけます、何が言いたいのか、いつから自分の心にいるのか(言い分も感情の表情もイメージします)
声をかけてください、私はあなたと共にいる、私はあなたを認める、信じる愛する、と。

名前をつけても良いですね。
仲良くするための方法を聞いてください。

ここまでくると、自分の心を支配していた感情が落ち着いてくるのが分かります。
ある人はその感情が生まれた原因を垣間見るかもしれません。
それは人それぞれ。

焦らず、うまくやろうとせずゆっくりとやっていきましょう。
次回はもう一つ慢性的な感情の味わい方をお伝えします。

こんなお話をヨガなどの菩提メニューでお伝えしています。