東京地裁で指示されたとおり、原告準備書面(2)を作成する。



裁判官より記載するよう言われた事項ひとつめ、各項目についていつ侵害行為に気付いたかということ。

それぞれスクリーンショットの撮影日から割り出す。

発見した時点でスクショを撮ってあるので、それほど誤差はないはずである。

さらにそれらが無許可であることの根拠と証拠を示す。

無許可であることも、著作権侵害及び契約違反であることも、証拠はバッチリである。




ふたつめは、損害賠償の算出根拠について。

各著作物について、デザインを外注した場合の価格表を、数社分提出する。

各社それほどの差の無い、標準的な価格である。

それらと比べてみても、当方で提示した損害賠償の金額が適正価格であることは一目瞭然である。


さらに、著作物で使用されている全写真は、すべてこちらで撮影したものであるという証拠も提出。

写真撮影から写真の選定、デザイン、加工すべて行っていることを考えれば、適正価格どころかむしろ安いくらいである。





これらの内容の準備書面を、7月末の〆切までに被告等の手にも届くよう送付する。





7月末が提出期限の準備書面は、原告側だけではなく被告側からも提出することになっていた。

ところが〆切を過ぎても被告から準備書面が届かない。

ありもしない証拠を提出することはできないので諦めたのだろうか。



ところが〆切を2週間も過ぎてから、被告より準備書面が届いた。

反論の提出期限は8月中旬、被告準備書面を受け取った3日後である。

反論の準備期間は2週間以上あったのだが、これでは3日しか期間がないではないか。

反論する時間を与えないために、わざと〆切を破ったのだろうか。

なんと汚い手を使うのだろう。



そんな小狡い手を使われたら、逆に負けるもんかという気分になる。

何が何でも反論〆切りに間に合わせてやる。



即、反論の準備書面を作成、速達で送る。

小者の汚いやり方には絶対に負けない。





以下、青い字が被告準備書面(1)、矢印の後に記してある緑色の字が原告準備書面(3)の概要である。





1 各著作権侵害及び契約違反の15の項目について


(1) 著作物を無断改変し、無断販売した件(同一性保持権侵害)

この件は契約締結時より前の話であるし、契約締結時にもこの件に関しての請求はなかった。

よって既に解決済みであるという認識である。




→ この侵害行為が行われた際、著作権侵害行為をしないよう申し入れると共に、用途や使用方法を限定されず使用したいのであれば、著作権を買い取るよう伝えている。それに対する返信がなかったため、この件は不成立である。

  被告等からは、その当時のメールが証拠として提出されているが、そのメールのどこを見ても原告が被告等に著作権侵害行為を容認したという表現は見当たらない。よって解決済みとは言えない。

  また、これは著作権侵害行為に対しての申し立てであるので、契約とは無関係である。






(2) 著作物を無断改変し、無断販売した件(同一性保持権侵害)

契約締結前の話であるので、(1)と同じ主張である。



→ これは著作権侵害行為に対しての申し立てであるので、契約とは無関係である。





(3) 著作物を無断改変し、無断販売した件(同一性保持権侵害)

契約締結前の話であるので、(1)と同じ主張である。



→ これは著作権侵害行為に対しての申し立てであるので、契約とは無関係である。

  さらに、この侵害行為が発覚したのは、契約締結から半年以上経過した頃である。

  しかも、その商品に著作物が無断使用されていないかという質問に、被告等からの返答がなかった上、発覚後に指摘した際にも「どこにも原告の著作物を使用していませんが、どこに著作権を主張しますか?」といった侵害行為を隠匿するような発言をしている。





(4) 著作物を無断改変し、無断配布した件について(同一性保持権侵害)

契約締結前の話であるので、(1)と同じ主張である。



→ これは著作権侵害行為に対しての申し立てであるので、契約とは無関係である。

  また、制作したのは契約締結前であるが、発覚したのは契約締結後である。

  さらに、発覚後も無断配布が行われていたことは悪質極まりないといえる。(配布が続けられていた証拠もある)






(5) 、(6)、(8) 契約締結後の著作物の無断使用(契約違反)

著作物を無許可で使用してしまったのは、クライアント側が前年と同じ素材を使ってしまったがために起きたもので、原告にとっては契約違反に見て取れる形となったが故意ではない。



→ 契約書には、著作物を使用する際にはその都度使用許可を取るよう記載されている。

  契約締結時のやり取りの中で、クライアント側から事前に著作物を使用した媒体の確認ができなかった場合は、その旨、必ず報告するよう申し入れてある。

  後に著作物が使用されたことを知った場合には、即時報告の義務があり、それを怠った行為は重大な契約違反である。





(7) 著作物を使用許諾範囲外で使用し、さらに無断改変を行いポスターに無断使用した件(同一性保持権侵害)

これも(1)と同じ主張である。


→ これは著作権侵害行為に対しての申し立てであるので、契約とは無関係である。


 



(9) 契約締結後の著作物の無断使用(契約違反)

これは被告自身が作成したものに無断で著作物が使用されたものである。

この件に関しては、故意ではないが契約違反であったということは認めている。




→ 契約違反であったことを認めているため、特に述べることはない。





(10) メディアへホームページ内の画像を無断提供した使用許諾範囲外使用及び無断使用(契約違反)

これが放送されたのが契約締結前であるので、請求は認められない。



→ 原告が違反行為を認識したのは契約締結後である。

  また、契約締結後に被告自身が番組そのものをYouTubeに上げている。これは立派な違反行為である。

  さらに、その映像を使ったPVも作成するなど、違反行為を重ねている。






(11) 著作物の使用許諾範囲外使用及び無断改変しメディアに提供した件(同一性保持権侵害)

これも契約締結前のできごとであるので、違反には当たらない。

さらに、メールのやり取りの中で、使用許諾外使用について原告が「今からでも差し止められるものは使用中止」するよう申し入れていることから、「今から差し止められないものに関しては致し方ない」ととらえている。




→ 原告は「今から差し止められないものに関しては致し方ない」などという発言はしていない。

  また、この行為は著作者人格権(同一性保持権)を侵害している。

  さらに、その画像を使用したPVの作成も行っており、侵害行為を重ねている。






(12) 契約締結後の著作物無断使用(契約違反)

契約締結後に新聞にイラストを無断提供した件について、契約後に掲載された部分については契約違反を認める。


→ 契約締結前に掲載されたものについても、それを認知したのは契約締結後である。





(13) 契約締結後に原告撮影の写真をWeb上で無断使用した件について(契約違反)

これらの写真が、原告の撮影した著作物であるという認識がなかった。

指摘されてすぐにメールにて謝罪し、画像を下げるという誠意ある対応をした。

これらが故意による契約違反ではないため、請求は認めない。





→ 被告等が運営する団体には撮影担当者がおらず、イベント時に原告が撮影したような写真を撮ることはできない。それは被告等も認識している。

  当時の写真の多くは原告が撮影したものだと容易に想像することができたにもかかわらず、それを確認しなかったのは、それが原告の著作物であってもかまわないという未必の故意があったと考えられる。

  また、指摘されてすぐにメールにて謝罪とあるが、謝罪どころか「粘着質」などと原告を蔑むようなメールを送っている。

  被告より証拠として提出された、その後に送られたメールのどこにも侵害行為に対する謝罪の言葉は見当たらない。回答書の提出が期限に間に合わなかったことについてのみ、謝罪があっただけである。






(14) ホームページの無断改変(同一性保持権侵害)

これは契約違反と言われるほどの変更を行ったという認識がない。



→ 契約締結時に、一部の許された部分を除き、他は一切改変してはいけないことを申し入れ、被告等もそれに同意した上で契約を結んでいる。明らかに契約違反である。





(15) 未公開デザインを無断でメディアで公開した件(公表権侵害)

これも契約締結前の出来事であり、指摘のあったYouTubeの動画もネット上から削除している。

誠意ある対応をしているので、解決済みの問題である。





→ これは著作権侵害行為に対しての申し立てであるので、契約とは無関係である。





2 損害賠償の算出根拠について

一般的な相場だけでは十分ではない。

各著作物に対し、どの大きさでどのように使用した場合にどう算出した請求額なのか根拠を示せ。




→ 大きさや用途については、著作権侵害及び契約違反一覧に示した通りに使われた場合である。

  作成費は、ある程度の技術を有した人間が、このクオリティで作成するためにかかる時間で算出される。作成スピードは個々で異なるため、一般的な市場価格を用いた。

  また、著作物にはすべて原告が撮影した写真を用いていることから、損害賠償の価格はむしろ安すぎると言える。

  これらのことは、これまで提出された書面を理解していればわかることである。

  にもかかわらず、さらに算出根拠を求めるのは引き延ばし行為に過ぎない。






3 不当利得返還請求について

その算出根拠が不明瞭である。



→ 一応それっぽいことは反論してみたが、実際不明瞭と言われれば、ただ付け足しただけであるのでそうかもしれないと心の中では思う。口に出して言いはしないが。





そして最後に、被告準備書面(1)に対しての反論を付け足す。



被告等は、これまで提出した書面を理解すればきちんと示してある事柄についても回答を要求してきたり、争点をすり替えるなどの引き延ばし行為を行っている。

また、謝罪していないのに「謝罪した」など、事実にないことを捏造する行為も見られる。

迅速な解決を図るため、被告等には書面全てをよく理解した上での建設的な対応をするよう求める。







以上が被告準備書面(1)と原告準備書面(3)の概要である。






それにしても、謝罪などしていないのに「すぐに謝罪し、誠意ある対応」とは、メールにあぶり出し機能でも付いているのであろうか。

あぶれば出てくるのか?それとも紙幣のようにすかしで謝罪文が書かれているのか?

はたまた行間に肉眼では見えないような字で書かれていたのだろうか。

そんな高度な謝罪はさすがに気付かなかったな。



著作物を「どの大きさでどのように」というのも、これまでの書面を見ればわかるだろうと言いたかったが、それも小学生に説明するように一から十まで教えてあげなくてはならないのだろうか。

読解力がないにもほどがある。



算出根拠についても、労働力の算出基準というのはかかる時間と技術力で決まるものではないのか。

他に何があるというのだろう。




さらに、著作権侵害は法律違反であり、刑事事件で訴えれば前科がつく類いのものである。

時効に至っていない著作権侵害について訴えている事柄に対し、契約締結前だからという訳のわからない反論をするというのは、法律違反がどういうことかわかっていないのだろう。

自宅で「著作者人格権」について検索しなかったのだろうか。

前回、裁判官にわざわざ質問していたというのに。




一事が万事このような感じで、書面を読むだけでゲンナリしてしまうので、被告等には是非「法律に詳しい知人」とやらに助言を求めてまともな書面を作成してほしかったのだが、その知人にも見限られてしまったのだろうか。

こういう輩とは関わりを絶った方が賢明だとは思うが。






そういえば、提出するよう言われていた「原告から許可を得たという証拠」はどうなったのだろう。

どこにもそんな記述も証拠も見当たらないのだが。


楽しみにしていただけに、残念である。