昨日の記事を書いた後、久しぶりに引っ張り出して読んだ本がありました。
- 君なら翔べる!―世界を魅了するトップスケーターたちの素顔/佐藤 信夫
- ¥1,680
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この本は小塚選手のファンになってしばらくしてから買いました。
あの素晴らしいスケーティングを小塚選手に教え、
いつも穏やかにリンクへ送り出す佐藤コーチというのはどんな人なのかな?と興味が湧いたので。
内容はスケートを始めた少年時代の話、
本格的に選手として活動していた日本スケート界の夜明けの頃のどたばた、
なるつもりのなかったコーチ業の大変さ・やりがいなど、盛りだくさんでした。
最後には夫妻の対談もあったり。
その対談でとても印象に残る会話が出てきます。
娘の有香さんが出場したリレハンメルオリンピックでのこと。
トーニャ・ハーディング選手の靴ひもが演技中に切れてしまうトラブルが起きます。
ハーディング選手はジャッジに訴え、
滑走順を後にしてもらうということになりました。
(現在のルールではプログラムの中断は2分以内。それを過ぎると失格になってしまう。
もちろん後で滑りなおすことは出来ない。)
このトラブルで微妙に滑走スケジュールが変わってしまい、
演技に集中できない選手が続出しました。
そんな中、信夫コーチは時間のずれが騒ぎの大きさほど大きくないのを考え、
あえて有香さんには何が起きたのかを知らせませんでした。
そのおかげで有香さんは練習どおりの演技をすることができ、5位入賞の成績をおさめます。
対談の中で久美子コーチがこのことに触れ、
信夫コーチの冷静さに感心すると言います。
それに答えた信夫コーチの話がすてきでした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇以下引用◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
信夫:リレハンメルほどじゃなくても、試合となると、いろいろなトラブルが起きるでしょう?(略)
試合を運営する方は、なんとかトラブルを解決して時間どおり試合を進ませようと必死でしょう。
でもこちらはスケジュールなんてガタガタになろうと、自分の生徒だけは守りたい。(略)
だから何かあって選手が動揺していたり、準備が整っていなかったりしたら、
僕が出かけていくわけです。
興奮してガーッと詰め寄りながらも、チラチラ選手の方をうかがってる。
だいたい気持ちが整ったかな、もう滑らせても大丈夫かな、というところまできたら、
「じゃあ、この次からこんなことはないようにしてくださいね!」
なんて捨てぜりふを言って、引き上げてくるんです。
(中略)
久美子:選手を守ることになるなら、この人は何でもやっちゃうから・・・。(略)
だからそんな、私にできないことをしちゃう点は、同じコーチとしてすごいな、って思います。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇引用終わり◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
信夫コーチはキスクラでのあの穏やかさが印象的で(仏様みたいbyみのる)
あまり感情を表さないタイプだと最初は思っていました。
でもこの話を読んで、あの静かな微笑みの奥には熱い生徒愛があるのだなぁ、と
驚くとともに何だかじ~んとしました
いざと言うときには本当に頼れるコーチだと思います。
実際08年の全日本で、小塚選手がスタンバイまでしたのに、
機械トラブルで仕切りなおしになってしまったときの信夫コーチの対応は見事でした。
マイクがかなり近かったので、信夫コーチの言っていることが聞こえたのです。
「下腹に力を入れて・・・」「ゆっくり息吐いて・・・」
小塚選手をしっかり落ち着かせています。
再びコールされると、
「はい!行ってらっしゃい!」といつもの儀式。
小塚選手はこのシーズンでのベストとも言われる「ロミオ」を演じました。
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今シーズン、新たに師事することになった真央選手。
彼女はそれこそコーチ無しでも大丈夫かもしれない位、自分を律することができるアスリートです。
ですがそんな真央選手にも不安になったり、
本当に信頼できる人の意見を聞きたくなったりすることがあると思います。
そんなとき、信夫コーチの大きな指導力はとても頼りになるでしょう。
しかも日本語で話せるということで、よりダイレクトにそれを感じられると思います。
真央選手の今シーズンの変化が、今から楽しみです。