雪斗の前には、1匹の猫がいた。
猫は鼻を真ん中として、右側が真っ黒、左側が真っ白と見たこともない毛の色だった。
猫はじっと雪斗を見つめる。
雪斗は驚きのあと、
不思議そうに、しかし興味深く猫を見た。
なんで学校内に猫がいるのか?
よりも、
なんで白と黒がこんなにくっきり分かれているのか?
よりも、
なんで誰も見向きをしないのか?
よりも、
その猫が雪斗に喋りかけているように見えたのだ。
(なんて言ってる??)
明らかに雪斗の方をじっと見て、
小さく口を開いたり閉じたりしている。
まるで、小さな赤ちゃんが、
必死に何かを伝えているような・・・。
「雪斗?」
雪斗は名前を呼ばれ、
ふと我に返った。
声の主がいる方を振り向く。
あの日から “ ゆきと ” と呼ぶのは男友達か、
彼女くらいだった。
「美雪か、おはよ。どうしたんだよ」
未だに、呼び捨てで呼び合うのは
少し恥ずかしい、、そんなことを思う。
「雪斗こそ、どうしたのよ?じっと立ち止まって。」
美雪は雪斗の顔を、覗き込むように見ていた。
「いや、それが・・・」
そう言って雪斗は猫のいる方を指差す。
「・・あれ?」
「なぁに?」
「・・・猫が、居たはず」
白黒の猫は忽然と姿を消していた。
続きはここから( ´ ▽ ` )ノ
(午後ティーストレートが好きです。)