殺し屋への拷問(7)拷問の果てに | 腹責め、拷問小説のブログ

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駄文なのは許して下さい。

7.拷問の果てに


鎖がピンと張り、巽が堕ちたことが分かった。

「オイ相棒、お前マジで殺しちまうつもりか?」

殺しかねない、そう思っていたが敢えて口にする。すると、アイツは予想通りに返してくる。

「そうね、まだ殺すには惜しいわね。もっと、この子をいたぶりたいわね」

言いながら少し冷静さを取り戻す。

「なら、少し俺と変われ」

俺はそう言ってタバコを地面に落とし、ゆっくりと巽に近付いた。そして相棒を壁際に追いやる。

鎖にだらりとぶら下がってしまった巽の腹に手を当て、様子を観察する。

ボコボコに割れた腹筋だが、今はその硬さを実感することはない。その奥に、内臓の存在を微かに感じる。その内臓は、ピクピクと小さな痙攣を繰り返しており、かなり傷つけられていることが分かる。

そして、銃が開けた傷口。軽く触れただけで、発熱がすごい事が分かる。中がだいぶ腫れ、激しい炎症を起している証拠だ。

俺は少ししゃがみ込み、包帯を剥ぎ取りその傷口を注意深く覗き込んだ。

捲れ上がった皮膚の先、薄い皮下脂肪とその下の筋肉の奥に、キラリと光る鉄片が見えた。

銃弾はコイツの腹の中にメリ込んだままか・・・

不意に、俺の頭の中にある一つのアイディアが思い浮かんだ。

「コイツなら、あるいは・・・試してみるか」

独り言を呟くと、俺は周囲を見回した。部屋の隅には、打ち捨てられた瓦礫がそこかしこに積み上がっている。その中から、俺は比較的細い金属の棒を2本拾い上げた。

少し曲がり、錆び付いているがまぁいいだろう。

俺はその2本の棒を、ヤツの傷口の中に差し込んだ。

「ウッ」

意識を失っているヤツの口から声が漏れる。俺は構わず続ける。別に、気など遣うつもりは無い。俺はぞんざいに棒を操り、ヤツの腹の中からその金属片――銃弾を取り出した。

穴の中を荒らされた傷口からは、大量の血が流れ出る。このまま放っておけば、失血死すらあるだろう。だが、そうはさせネェぜ。そんな楽に殺しはしない。

地面に転がり落ちた銃弾を、2本の棒を箸のようにして挟み込むと、持っていたライターの火でその銃弾を炙った。

「ちょっと、何やってるの?」

「止血をしてやらねぇとな」

相棒が怪訝そうに聞いてくると、俺は素っ気なく答えた。止血・・・確かにそうだ。だが、この狙いはもう一つある。

鉄の箸の先で、真っ赤に熱せられた銃弾を見ながら、俺は興奮を隠せずにいた。

こんな事、ここまでタフなヤツ相手にしなきゃ思い付かねぇ・・・お前、やっぱ最高だぜ。

◇◇

腹の中をまさぐられた激痛に、俺の意識が少しだけ反応した。

腹を殴られるのとは種類が違う、もっと鋭い痛み。

だが、その痛みにも俺の意識はぼんやりと戻るだけ。まだまだ俺の昏睡は深かった。

アイツに殴り付けられた腹は、もうメチャクチャだ。腹筋にはまともに力が入らず、その内側の内臓はそこかしこで痛みを発し続けている。

だが、普通なら気が狂ってしまってもおかしくないほどのその激痛も、高熱による脳機能の低下で鈍痛に変わって感じている。

しかし、その高熱は新たな凶器となって、今や俺の命を鉋のようにジワジワと削っている。

そんな中、今までのボディブローとは全く異なる種類の鮮烈な痛みを、俺は脇腹に感じたのだ。

覚醒しきらない意識の中で、それでも俺は違和感を感じていた。この痛みは、ヤバイ。

やがて、薄く視界が戻ってきた。

月明かりだけで薄暗いこの部屋の中。一度機能を停止した目が、この暗さに慣れるには時間が掛かる。だが、起動を開始したばかりの目が、意外な像を捉えた。

「ッ!?」

俺は思わず声を出した。目の前に立っているのは榊だ。その榊が、ライターに火を灯し、何かを焼いていた。

薄青い月明かりの中に突如表れた赤い炎のコントラスト。あまりに冷え切っていた俺は、むしろその火で俺の体を焼いてくれ、そんな事すら考えていた。

鉄の棒で挟まれた小さな金属片が、真っ赤にゆらゆらと燃えていた。

「これでいいだろう」

榊はそう言うと、持っていたライターを地面に投げ捨てた。

「お前の命を救ってやろうと言うんだ。せいぜい感謝しろ」

俺の目の前でしゃがみ込んだ榊はそう言うと、真っ赤に焼けたその金属片を、ゆっくりと俺の体に近づけた。

冷たく凍った皮膚の表面が、その熱を敏感に感じ取る。

榊の手は、ゆっくりと金属片を俺の体へと寄せてくる。

「うぐっ!!」

金属片を掴んだ2本の細い棒が、俺の腹に当った。先端の熱に俺は思わず苦悶の声を上げた。

その先端は、血を吹きこぼしている俺の傷口に差し込まれ、そのまま突き入れられてゆく。

「アガァ・・・テ、メェ・・・」

榊は構わず進める。やがて、赤く燃える金属片が俺の傷口に触れた。

ジュッ――

皮膚が捲れ上がった傷口に真っ赤な金属が触れた瞬間、内部の脂肪と肉が焼け爛れる微かな音がした。音の小ささに反比例して、俺が感じたのは激しい激痛だ。

「うぐっ、がぁぁぁあああ!!!!!」

思わず叫ぶ。ふわりと漂ってくる、不快な焦臭。俺の傷口が、焼かれている。

「組織が固まっちまうからな。こっからは一気に行くぜ」

榊は俺の傷口に鉄の塊を一気に押し付けた。

「ぐあぁぁぁああああ!!!!」

余りの痛みに俺は絶叫を続ける。朦朧としていた意識は、この痛みと絶叫で一気に覚醒した。意識がはっきりした分、より痛みを正しく感じる。神経が千切れてしまいそうな、そんな激しい痛みに、俺は襲われ続ける。

腹の傷口を焼き傷口を塞ぐと、榊は鉄の棒を投げ捨て、ライターと同じく地面に投げ捨てた。

ズブズブと音を立てながら、傷口から微かな煙が不快な臭いを纏って立ち上っている。

「熱でお前の傷口は間もなく癒着する。これで止血だ・・・良かったな、今すぐ死なずに済んで」

そう言いながら、榊は右の拳を固めてファイティングポーズを取る。

「ほら、もう血は止まった」
「ハァハァハァ・・・」

焼け爛れた肉片同士がくっつき、俺の傷口は塞がった。だが、そんな事はどうでも良いくらいに、俺の腹の痛みは治まるどころか、さらに激しさを増していった。

「この状態で、ボディブローを喰らう、とっ!!!」

榊は俺の脇腹目掛けて、強烈なボディブローを放ってきた。少し体を捩って、下から突き上げるような角度で打ち込まれた榊の拳。その拳が狙った場所は、ついさっき熱々に熱し塞がれた傷口だった。直撃した攻撃は俺の腹の内部へとその衝撃を伝える。

「ぐあぁぁぁ!!!!」

腹の内部を衝撃が貫き、縦横無尽に暴れ回る。

「ハハッ。死んだ方がマシだったかもな!!」

笑いながら、榊はボディブローを叩き込む。やはり、狙いは俺の傷口だ。

ドボォッ!
「ごぶぅぅぅっ!」

榊の攻撃は、ただでさえ強烈だ。既に身体の内部が滅茶苦茶にされている俺が喰らうダメージは、壮絶なものだった。――こんな拷問、反則、だろ

「無様だな」
ドボォッ!
「ぶふぅぅぅぅぅぅっ!」

「無力なゴミが」
メリィッ
「オエェェェェェェェ!!」

「身の程を知らずに」
グチョオッ!
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「俺達に楯突いたことの」
バキィィィィッ!
「うぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」

「罪の重さを思い知ったか!!」
ドボギャァァァァァァッッッ!!!
「ぐっ・・・・ぐあああああああああああああああ!!!!!」


何度も何度も傷口を抉り、叩き込まれるボディブロー。その度に俺は腹の中が焼け焦げる。表面と内部、想像を遙かに超えた痛みが、俺の神経を蝕む。

2分、3分・・・

やがて、榊のボディブローが止んだ。

俺の全身は、痛みに絞り出された大量の汗で、まるで海から引き上げられた直後のようにずぶ濡れだった。

「まさか、耐え抜くとはな・・・」

榊は真剣な表情でそう言った。

俺は全身の汗をボタボタと地面に落とし、肩を激しく上下させながらも何とかセリフを返そうとする。

「お前、如きに・・・潰されねぇって、言ってん、だ、ろ」

死んだ方がマシ。確かにそうだ。攻撃が止んでもなお、俺の腹の中には痛みが渦を巻いている。痛みが蓄積するってのは、こう言うことを言うのか。

突然、また種類の違う感触が俺の腹を襲った。

「うぐっ」

俺の声が漏れる。

「そのヤセ我慢、最ッ高だなー!!」

榊の右手が開かれ、俺の腹筋を内臓ごと鷲掴みにしたのだ。

ヤツのストマッククローが、俺の胃を完全に掴んでいる。

「どうした、お前の胃袋を完全に掴んでいるぞ!声も出せないか?」

徐々に強められてゆく榊の握力。ジワジワと握られているのが分かる。

「グクッ」

既に腹の痛みは激しく暴れ始めている。俺は必死に痛みと闘う。

「どんどん行くぞ、お前のこの胃袋が破裂するまでナァ!!」

ブチブチブチブチッ!
「ゔ・・・ゔああああああああああああああああああああああああああ!!!」

せっかく体内で固着していた銃弾が、この榊の力によって疼き始めた。組織を引き千切って動き出す銃弾の痛みが、ストマッククローの痛みに上乗せとなる。

「が・・・かはぁっ・・う、うぷっ・・・・おうっ、げ・・こふっ・・・」

痛みは激しく、しかもそれが徐々に強まる。

言葉なんか無い。間違い無く、俺が人生で初めて受ける、最大の痛みだ。だが、この最大は1秒毎に記録を更新し、天井をしらない。

折れそうになる心を、なんとか奮い立たせようと、俺は敢えて言葉を口にする。

「お・・い、筋肉・・・ダル・・マ・・・う、うぶっ・・テメェの・・力は・・お、おえぇっ・・こんな・・ふぶぇっ・・・・もん・・かよ・・・っぅぇ・・テメェ・・・・・寝てんのか?・・・んぐおぉっ・・とっとと・・・ごぶぅっ・・全力でこいよ・・・おぇぇぇぇっ・・・・テメェの・・・クソみてぇな力・・・っげぇぇぇぇっ・・・俺が・・・全部・・・・・・うぶぇぇっ・・・受け止め・・・・て・・・・うげぇぇぇっ・・・やる・・・から・・よ・・・」

弱々しくてもいい。この距離なら必ず、当る。

俺は至近距離にいる榊の顔面目掛けて唾を飛ばした。

先ほど叫びを上げた時に、切れた口の中から出血。その血を含んだ赤い唾が、榊の顔に命中した。

「ほう・・・そんなに俺の責めが気に入ったのか。なら、たっぷり味わわせてやる!!」

榊の握力が跳ね上がった。

「うっ・・・・・・ッッッッッッッッぇぇぇえぇぇぇぁぁぁぁぁぁあおォォォォゲェェェェ!!!!!!!!」

麻酔無しの外科手術で、胃袋を一気に剥ぎ取られるような痛み。

「おおおおおおおおおおおううううううううううええええぇぇぇえぇえ!!!!!!!」

息を吸うことも出来ずに叫び声を上げ続ける俺。胸が苦しい、それでも痛みが勝り、声は止まらない。遂に、肺の中は空になった。それでも、ヤツの手によって胃袋から絞り出されるように、叫び声は上がり続ける。



「さっきお前おもしろいこといってたなぁ」
ぎゅぐぅっ!
「ッッッッッ!!!」

「確か俺をぶっ潰すとか」
グリュウッ!!
「ウプッッッッッ!!!」

「いいこと教えてやろうか」
ゴリュウッ!!!!
「ウゥッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!」

「俺はここまで3%の力も使っていない」
グチュグチュグチュッ!!!
「はがあぁあああああああああああああ!!!!!」

「その俺相手にテメェはその様だ」
ブチブチブチブチッ!!!!
「おげえええぇぇぇえぇぇぇぇぇええぇぇぇぇええええ!!!!!!!」
















「その程度で俺をぶっ潰すだと!!!!」
グチョオオオオオォォォォ!!!!
「げ、げえっ・・・オエェェェェェェェ・・・ぶええぇぇぇえええええぇぇぇえ!!!!!!!!」

「殺し屋ごっこで悦にいってただけのガキがイキがってんじゃねぇぞ!!!!!」
ブツンッ!!!!!
「ハ・・・・・・・・エ・・・・?コ・・・コフッ・・・・・・・(ブクブクブク)」

目の前の景色が滲み、色を失い、やがて光を失った。内臓を破裂寸前まで痛めつけられた俺は、あまりの激痛に体力の限界を迎え、泡を吹き失神してしまった。

「ハッ!泡を吹いて失神かよwwwゴミにふさわしい無様な姿だなwww」

榊からどれだけ侮蔑的な言葉を吐かれても、俺の耳にはもはや届かない。