http://www.at-s.com/news/article/social/national/615166.html

 

 

 

認知症や知的障害などで判断力が不十分な人を支援する成年後見で、制度を運用する最高裁は25日までに、利用者が後見人に支払う報酬の算定方法を改定する考えを全国の家庭裁判所に通知した。現在は利用者の財産額に応じて決めているが、業務の難易度により金額を調整する方法に改め、介護や福祉サービスの契約といった日常生活の支援に報酬を手厚くする。

(3月25日静岡新聞から一部引用)

 

成年後見人の報酬については,裁判所が裁量で定めるものとされ,現在の運用では,1年に1回の後払いです。東京家裁などでは基準を公開していますが(これも以前は非公開でした),預貯金などの流動資産の財産額ベースで決められており,概ね,5000万円未満の財産額においては月額2万円から3万円程度(年額24万円から36万円程度)というところです。

 

【東京家庭裁判所 報酬の目安】

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/0102.pdf

 

 

「報酬に見合う仕事をしていない」という不満については,本人が施設などに入所しており,後見人としては不定期の訪問と通帳(口座)の管理のみしていればよいというようなケースでも前記の基準により報酬が機械的に算定されているので,あながち的外れな不満とまではいえないと言えばそうかなとも思います。

一方で,親族紛争や在宅,訴訟を要するといった困難な案件であってもあまり評価がされていないと感じられる案件があったりして,後見人の側にも報酬の算定に不満があるというのも事実です。現在でも,特別に報酬を加算してほしいという事情については報酬請求の際に特記事項として記載することがでせきますので,いろいろと書いてもあまり反映されないという不満はあちこちで耳にします。

 

 

業務の難易度により金額を調整するという方向について,総論としてはそれでよいとしても,実際に何をどう考慮するのかは難問とも言えます。

実際には報酬算定において,定型的な業務内容(例えば,□介護契約をした□本人との面談(   回)□金融機関の窓口で手続きをした・・・)といった感じでチェックしていく方式(介護保険の報酬単価みたいなイメージ?)にするのかなと思います。

最高裁の通知自体を見ていないので何とも言えませんが,介護や福祉サービスの契約といった日常支援に報酬を手厚くするということですが,これについても単に契約するということを指しているのか,ケアマネと面談して介護認定にも立ち会ってというところまで含んでいるのかはよく分からないところです。また,本人との面談というのも単に回数だけで評価するとうことになるのかといたこともありそうです。