すごいタイトルですが、もちろん、裁判で嘘をついてはいけませんよ(;^_^A



証人としての証言で嘘をつけば偽証罪に問われますし、当事者であっても虚偽の供述をすると過料の制裁が科されます。



書類を偽造して裁判で提出したりすれば、文書偽造や偽造文書の行使といった犯罪行為です。



また、裁判の結果そのものについても、嘘をついていたことが分かった当事者の主張は裁判官から信用されなくなり、結果として敗訴判決を引き寄せる可能性が高いでしょう。


また、例え代理人であったとしても、弁護士が裁判に勝つために上記のような行為を勧めたり、加担したりすれば、弁護士自身も責任を問われます。



まあ、それはそれとして、(密室で起こった二人だけの会話なんだし・・・)とか(電話で話したことなのだから、お互い何て言ったか証拠なんて残っていないし・・・)ということで、「嘘をつきたくなる衝動」が突き上げてくるということはあるでしょう。



しかし、この衝動に突き動かされて行動することはやめた方が良いでしょう。



なんでこんなことを書こうと思ったかというと、最近の沖縄防衛局長の「講話問題」などを見て、「嘘を付けない世の中」になってきていると思ったからです。



まるで関係のなさそうな2つの話題ですが、沖縄の「講話問題」のような問題というのは、昔であれば「闇から闇」だったのではないかと思います。


偉い人が部下に口頭か電話で指示して、「職員と親族との親睦会」などと言って集まって、そこで何やら話をして、あとから問題になっても「知らぬ、存ぜぬ」でシラを切り通して、明確な証拠もないから、追及もそこまでということでおしまい・・・



沖縄の問題に限らず、これまでいろいろな問題で疑惑などが取りざたされても、当事者の言っていることを嘘と決めつけるだけの証拠もないので沙汰止みになるというのは、よくあるパターンでした。



しかし、最近は、メール、ICレコーダその他、証拠を残しておける便利なものがあふれています。沖縄の問題でも、メールが動かぬ証拠として上がっています。この件に限らず、最近は、昔であったら絶対に公けにならなかったであろう事柄が白日の下にさらされることも多くなりました(警察や検事の取り調べが録音されて公開されるとか)。



翻って、裁判ということで考えてみた場合、確かに、密室で話された会話であったとしても、絶対にICレコーダで録音されていないと言い切れるでしょうか。



その場の会話は録音されていなかったとしても、その前後のやり取りで、不利なメールや録音がされていないと言い切れるのでしょうか。



最近は裁判でも、このような証拠、特にメールは客観証拠として提出されることが当然になっています。

もちろん、以前に国会で問題になったカゼネタメールのようなこともあるので、慎重に評価しなければならないことは当然ですが。



また、一度嘘をついてしまうと、嘘に嘘を塗り重ねてゆくことになるので、主張がどんどん不自然になったりして収拾がつかなくなることもあります。

裁判で一度してしまった事実の主張というのは取り返しがつきません。裁判官は、主張の変遷ということについては厳しく見る人も多いのではないかと思います。



結局のところ、ウソをつくというのはいろいろな点でとてもリスキーな行為であり、そんなことをするのであれば、事実は事実として認めたうえで、その解釈の違いその他で正々堂々と争ってゆくべきということになります。






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