トカゲ人間  中編(型取り編) | ねんど小市民

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その時々の事柄や、趣味のオリジナルクリーチャー・特撮フィギュア製作について書いています。

以前の記事からかなり経ってしまいましたが


トカゲ人間 前編の続きです。



トカゲ人間頭部は元々、半漁人を製作する為の


基本ベースとする為に作った頭部を


シリコーンゴムで型取った中に、未硬化の


スーパースカルピーとスカルピープロマットを混合した物


を中に詰めて複製した頭部を使用しています。

(プロマットは現在では絶版)


ねんど小市民-lizard-man01


ねんど小市民-lizard-man02

未硬化のスカルピーで複製した頭部は


形状は同じですが、上半身を(胸部まで)付け足し


皮膚のモールドを新たに入れ直し、胸像として


仕上げています。


コレを製作したのが1997年。13年も前です。


何故かなり昔の物を紹介するかというと


現在、自分が製作しているフィギュアの基礎に


なっている技術がある為です。



型取り方法


原型はモールドが細かく、頭のトサカ(ヒレ)の部分が


薄く折れやすいので、レジンで成型しても


ゴム型から外す時に折れる危険性があります。



その為、複雑なモールドや逆テーパーに強くて柔らかい


ワッカー社のM4503を使用して


原型表面を積層法で型取り、型全体をSLJ3266を


流し込む事にします。



ワッカーM4503


1997年当時、信越の高強度シリコーンKE-1402に


あたるのがM4503でした。


引列強度がワッカー社の縮合タイプ(一般用)の約3倍と


強いのが特徴です。


但し柔らかい為に、 型が歪む虞がある為


補強する型が必要です。



硬さ 25(硬化後)


比重 1.16


混合比 主剤:硬化剤(T-40)100:4(通常)


夏など作業時間を取りたい場合、最低2%
                            

冬場などの硬化を早めたい時は5%まで


作業可能時間 20分(4% 23℃)

硬化時間 約18~12時間(3~4% 23℃)


収縮率 0.4%



ゴム型は、見た目は一般的な前後の2分割ですが



上記の理由により、シリコーンゴムを2種類使用します。


型は普通に半面を粘土埋めをして、型枠を作ってから


シリコーンゴムで型取りします。



 積層法


積層法というのは普通、大きな物を型取る時に


使われる型取り方の一種です。


表面をシリコーンゴムを重ね塗り、数ミリの


厚さになったら、その上にFRPで再び型取ります。


そうする事で、大きくても軽くて丈夫な型を


少くない材料(予算)で作れます。



この様に型の上に補強する型をバックアップと言います。


海外ではジャケットモールドと言うそうです。

今回の場合は大きな物では無く、型取りに使う


量もそれほど掛からない事もありますが


泡抜けが悪く、最初に付けた注型口(湯口)以外に


新たに空気抜きを彫らなければ為らない場合には


ゴム型が薄いと彫る事が出来ないので


FRPでは型取らず、一体型のシリコーンゴムの


型として作ります。



因みにM4503とSLJ3266は硬度は違いますが


同じ収縮率なので型が反ったり歪んだりする事が


ありません。(収縮率0.4%)



型取り


原型の後ろ半分の面を粘土で埋め、型枠で囲います。


この時は分割ラインを単純にしてあるので


とても楽でした。


今なら別の分割ラインにしていますね。


あと、抜き方向についても、昔の方法をその侭


書いてあるので、参考にはならないと思います。



ねんど小市民-lizard-man03

まず最初に速く硬化させる為、M4503に硬化剤を


通常より多く(5%)添加した物を筆で塗っていきます。

(通常4%)


この時、表面に気泡が残らない様に汲まなく塗ります。


また、シリコーンゴムは流動性が有る為下に流れて


いきますので、下に貯まったシリコーンゴムを筆で


すくい取って、上から掛けて下さい。



多少、表面に厚みが出来てきましたら


ワッカーケミカル(現・旭化成ワッカー)の


シリコーン増粘剤 IM22を使い、シリコーンゴムの厚み


を増します。



ところでシリコーン増粘剤 IM22ですが


現在はFLUID L 051という物に代わっていますので


もし探す場合には、こちらの商品名で検索して下さい。



 特徴


普通、シリコーンゴムの積層は厚みが出るまで


何度もすくい取って原型に掛ける作業を長時間


繰り返さなければなりませんが


シリコーン増粘剤を添加する事により粘度が増し


垂直面な様な所でも簡単に厚みを持たせる事が


出来ます。


但し、粘度を高める事によって空気を巻き込み易いので


表面に薄い膜を作っておく必要があります。



増粘剤を混ぜる


硬化剤を混ぜたM4503に増粘剤を混ぜ


型に厚みを増します。


この後、SLJ3266を型に流し込んで


型が硬化するのを待ちます。



粘土を取り除き、離型剤を塗って乾いたら


後面も前面と同じように型取りします。



後面型取り手順



M4503に硬化剤を1%多く混ぜた物を


筆で塗って、原型表面にシリコーンゴムの厚みが


一層出来る様にする。
(原型のモールドに空気を巻き込まない様に気をつける)

 ↓

M4503に増粘剤を混ぜた物を原型に掛け


厚みを増す。

 ↓

型にSLJ3266を流し込み、硬化するのを待つ。

 ↓

ゴム型が硬化してから半日~1日程養生させてから


型を剥がし、原型を取り出す。


以上で型の完成です。



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