京都で東海道線の一番東の駅は山科駅。
となりは滋賀県大津とか膳所とか。
そういうわけで、上のポスターが駅の上りにはってありました。
残念ながらそんなに注目もされていないようで。。。
〈山科駅の階段のポスター〉
駅の本屋さんには作者の宮島さんのサイン本なんてのもおいてありました。今回は知りませんけど。
というわけで、最初の1・2巻?も読んでいましたので、
読むことにしました。
最初はそうでもなかったのですが、
なんとなくメルカリを見ていたら
読む気になったので
ささっとポチっとしました。
販売者さんがいい方?だったのか翌日、すなわち昨日届きました。昼頃。今、身体が異常に痛く、動くこともかなわないので、本ぐらいしか読めません。(コロナの後遺症です)
それで、さらさらと読みました。
昨日の明るいうちに読み終えてしまって。
気持ちよく読めました。
最近のエンタメ小説って、分厚くありません?
成瀬シリーズはとても普通、
短編が6編入ってるって感じで。
200ページ少し越えたあたりです。
読みやすいし、
さすが宮島さんわかってますねえ。
僕、最近の人の書いた本がなんか読みにくくて、
長いし、詳しすぎるし、なんだか頭の中に入ってこないような感じがして。
ここ数年、成瀬以外の本で僕がいいなあと思ったのはざんねんながら「水車小屋のネネ」だけです。
まあ、それは昔の名作でも頭に入りにくいのはたくさんありますけど、
最近なら、三島由紀夫の「金閣寺」は読みにくかったですねえ。最後まで読んだけど、名作?だったのか、という程度で終わりました。なんか、昔の小説も自意識過剰なのがたくさんあります。
夏目漱石だって、そんな感じですからね。
でもでも、宮島さんの新作はそんなことはまったくなく、
一気に読めました。
それは内容がないからだ!と言えばそうなのかもしれませんが、そうでもないと思いました。
さて、これで中に入っていけますね。
成瀬はヴァージョンアップされていました。
すごくいい人になりました。
以前からいい人だったのですが、
なんか、発達障害っぽい感じがとてもしていたのです。
今回もそうだったのですが、
1・2巻のように人をがっかりさせない?傷つけない?
(もちろん、成瀬にはそんな気はさらさらありません)
ちゃんと人の話を聞き、ちゃんと納得しています。
(昔から納得はしていましたが)
なんといえばいいのでしょう。
とても現代にあてはめてるなあ
と思ったわけです。
というのは
どの人に対してもOKな感じに仕上げてあるのです。
毒がなくなってしまっているのです。
成瀬、すごくいい人でした。
いろいろなところに配慮が行き届いている、
そんな作者の思いが入っているのだと思いました。
この物語は、6編の短編の集まりです。
そのそれぞれの1篇が
自分一人称視点で描かれています。
京大の失恋同級生の子
達磨研究会の新入生
You tuberの子
お母さん
あかりに思いを寄せている男の子
ぜぜからのコンビの子(東京からもどってきて)
こういう人たちの視点から成瀬が書かれています。
どの人も成瀬にとまどいながらも
成瀬の行動に
成瀬の言葉から
やさしさをもらっています。
成瀬はけして人を傷つけません。
それより、みんなを
「これでよかったんだ」と思わせます。
なんだか、いいですよねえ。
成瀬は基本「自分のしたいことをしていく」というスタイルをとっています。
朝の5時からトレーニングをして、
夜9時に寝るというルーティーンを決してくずしません。
(これって大谷翔平と同じじゃないですか?このスタイル)
200歳まで生きるのもうなずけます。
人の言ったことに対して決して悪い意味に取りません。
「そうか」「そうだな」というふうに受け取り
そこから、自分の行動に移っていくのです。
その自分語りをしている人にたいして、その人のためになるであろうことをします。
しかし、それは一種のおかしさがあります。
それは成瀬がその人のために行動しているけれど、その行動は成瀬自身のためのものである、というところでしょうか。
そのギャップがおもしろいのですが。
やさしさの押しつけがないのですね。
あくまで、自分の意志でやっています。
そうして、みんなを明るい気持ち、前向きな気持ちにさせていくのです。
それから、内容もどんな世代の人に読んでもらえるようにしています。
同級生の暗めの子だったり、
昔のバンカラ気質であったり
そのくせちょっと現代的であったり、
SNS世代のためのYou tuberであったり、
恋愛に悩む男であったり、
これでよかったのだと思わせてくれたり、
やっぱり、成瀬とずっと一緒にいたいと思わせたり、
宮島さんはなかなか目配りよく書いています。
というか、これでこのシリーズは終わりとか言っておきながら、なんか続くような気がします。
きっと何年かすると
成瀬は戻ってきます。
だからこそ
成瀬はいい人になって
このシリーズを一端終わりにしたのでしょう。
気持ちよくこの本を読み終えることができました。
こういう読書もまたとてもいいものです。
あまりものごとを難しく考えすぎるのはよくないです。
成瀬はすばらしいです。
シンプルでけっこう人生に対する示唆があります。
読み手しだいですね。
