「心が叫びたがってるんだ」感想(ネタバレ無し) | 明日もきっと良いことないよ


見てきました。


タイトルにあるようにネタバレはしないので、
若干ふわふわした感想になるのをご容赦下さい。

ざっくり言いますと、
言葉を無くした少女が頑張るというストーリーです。

ここらへんまでは公式サイトでも載ってます。


で、個人的、吃音者的に共感できるポイントを
いくつか紹介したいと思います。

まず、言葉を無くした少女の、言葉を出そうとするシーン。
ここの演技、演出が非常に素晴らしい。
「志乃ちゃん」ほど露骨な表現はないものの、
少女の声優さんを演じる水瀬いのりさんの感情の表現が
大変素晴らしい。調べてみるとまだ19歳。
これからどんどん伸びていく声優さんだと思いました。

そして無理矢理喋ろうとすると代償が発生します。
この部分が吃音者的には、周囲に笑われる事からくる
心の傷だったり、そういう部分で共感出来ると思います。


ただ、アニメの最後の方になってくると、
共感する部分は薄れてくるものの、
ここまで来るとアニメ本編持つ魅力で引きこまれます。
そしてとにかく演出がズルい。良い意味で。
最後も無難(これも良い意味)で、
誰にでもオススメ出来る映画として完成しております。

また、吃音を持つ方の親世代、身近に吃音者が居る方にもオススメです。

ヒロインの言葉への葛藤が所々散りばめられているので、
ああ、本人はこういう心境だったんだな、など
新しい発見があるかもしれません。


主題歌は乃木坂46さんが歌っていらっしゃいますが、
ここだけ、人によっては抵抗を持つ方がいると思います。
しかし、秋元康氏の作られた歌詞。
じっくり聞いてみると、
しっかりとこの映画に寄り添った内容になってます。


この映画の伝えたい事は個人的には

「言葉というものの在り方、表現」

ここらへんだと思います。

ただ逆にこの部分を読み解いていくと、
吃音者によっては疑問に思うところもありそうです。
しかし、吃音者専用に作ってる映画では無いので
間口の広さなどを考えてみると妥当な感じはします。

この映画は青春群像劇というカテゴリーなので、
それなりに恋愛要素も絡んできます。
ただ、そこも大事なファクターとして扱われるのですが、
そこもとても上手い具合に締めているので、
個人的には久しぶりに良い(構成の上手い)映画を見たと思いました。

また、ミュージカルを絡めた作品でもあるのですが、
正直な話、私はミュージカルがあまり得意ではありません。
なのでTwitterでも鑑賞した方にそれを伝えたところ、
そこまでくどい演出ではないとの事で、
今回、意を決して観に行きました。


Twitterにも書いたんですが、
私の席の2、3席挟んだ隣に座っていた女性2人組がおりまして、
後半でズビズバ聞こえてきたので、
「ああ、普通の人にも響くんだなー」と思っていたんですが、
終演後、涙まみれになってる彼女の相方は
「え、嘘、マジで!?」と言ってました。

その微笑ましいやり取りを聞きながら私も席を立ちました。
感受性は人それぞれですね。


ちなみに私はズビズバ言わなかったんですが、
顔を涙まみれにして颯爽と映画館を後にしました。



話はちょっと変わるのですが
pixivで場面緘黙症の方の漫画を読みました。

http://www.pixiv.net/member_illust.php?illust_id=52332324&mode=medium

これも雑な紹介で申し訳ないのですが、

ある特定の人の前では普通に話せるが
他の場面では一切言葉が出なくなる病症です。

吃音を知るにあたって調べている途中で
名前と簡単な症状だけは知っており、
今回深く知ることとなりました。

このコミックエッセイを描かれた人の漫画を
Twitterで紹介したのですが、
結構リツイート、お気に入りなどして頂きました。

また、同時期に「失声症」(失語症ではない)についても調べまして、
wikiでは「失声症患者が登場する作品」として
このアニメが紹介されておりました。

失声症、場面緘黙症の人も共感出来る映画だと思います。


★を10個で満点とするなら★9つくらい良い映画です。



TOHOシネマズ新宿で見たのですが、11/5までの上映との事なので、
観たい方は11/3の祝日あたりに予定を組んでみると良いですね。



長文になりましたが、
最後まで読んで頂きありがとうございました。