『国宝』見てきました。

なんとなく..仕事帰りにふらっと行ってこようと思っていましたが、嫁が行きたそうだったので土曜日の夜上映に入りました。

 

 

 

国宝

 
 
これがなかなか良かった、
本物の舞台には本物の良さがあるのでしょうが、
本物では感じ取れない些細な表現や情景..
カットや編集といった映画ならではの表現が、映画の良さが全面に出た。
上映時間175分、まばたきもできないぐらいに見入りました。
観る価値ありです。
 
 
全編に流れているのは血筋と才能の葛藤..呪縛。
歌舞伎の家計に生まれた俊介とやくざの家計に生まれた喜久雄。
その才能を見出され名跡の下で切磋琢磨をする二人。
 
やがて名跡の病から生き方を大きく違える二人。
血筋だけでは得られないものと才能だけでは越えられないもの..
挫折の後に名跡(父)の死後、歌舞伎界に迎え入れられた駿介と
一つのつまづきから歌舞伎界から追いやられた喜久雄。
 
数年後、引退した歌舞伎の人間国宝によって呼び戻される喜久雄。
木賃宿のような粗末な部屋に横たわる人間国宝。
このあたりから題名の国宝って何のことだろうと思っていました。
 
駿介と喜久雄は歌舞伎界の名跡、花井半次郎・半弥として舞台に戻るが、
半弥も父(先代の)半次郎と同じ病によって舞台を去ることになる。
またしても血、いみじくも半弥と先代の血筋を目の当たりにする。
 
 
劇中、神社で悪魔と取引をする喜久雄。
「日本一の歌舞伎役者になれれば他は何もいらない」
芸のためにすべてのもの、妻子をも犠牲にした人生。
やがて喜久雄は人間国宝となり鷺娘を舞う。
ラストは拍手を贈りたい衝動にかられた。
 
 
吉沢亮の歌舞伎の舞を見て、前夜の『薬屋のひとりごと』での楼蘭妃の悪女の舞が思い浮かんだ。
血..


PS.悪魔と取引した神社はどこだ?
  上京区の光盛大明神のようです。
  機会があったら行ってみよ ウインク