2月の初め頃からずっと腹部、腰そしてなぜか右手首(腱鞘炎になるほど仕事してないのですが)が痛くて..
それが落ち着いてきたと思ったらのどを腫らして..もう、ろくなことがない。
神社に行ってお祓いでも受けてきたいけど、忌中でそれもできない。
映画専用チャンネルで水上勉の『土を喰らう12ヵ月』を見た。
少し前に途中から見て、今回は見逃さない様に録画もして嫁を誘って見た。
ご存じの方も多いかと思いますが、
作家の水上勉が1978年1月から1年にわたり発表したエッセイをストリー化して、映画化したもの。
貧乏故9歳から京都の禅寺に小僧に出され、そこで教えられた禅宗の教えと精進料理を軽井沢の田舎で実践して発表したもので、
本名は『土を喰う日々』、30代半ばごろに文庫本で読んだ。
「献立は畑と相談する。何もないところから絞り出すのが精進料理で、旬を食べることは土を食べること」
映像にすると、ますます憧れる。
山里の生活。
庭に畑を作り、旬の山菜を採り、寺で教えられた精進料理の手を加え食す。
冬には雪中に保存する。
素朴ながら旨さが想像できる。
土を喰らう..
私が子どもの頃には竹林や柿やザクロといった果樹の木が何本かあって、あと山菜とかも採れた。
家の敷地には土筆が生えるし、
実家の庭には夏に大葉や茗荷が生える。
ただ私は梅や大葉、茗荷といった味や香りの強いものははだめで、蕨もあまり好きではないんですけどね 。
途中葬式の場面は懐かしい。
昭和..子どもの頃の葬式って、人がたくさんいらしてわいわいと..
あんな感じだった。
うちも叔父叔母、従弟みんな来てくれるからそこそこ人が集まる(枕花、お供えも)が人の少ない葬儀は淋しいと思う。
兄弟、従弟ってありがたいとつくづく思う。
(映画では)義母の死後、作者が心筋梗塞となり生死の際をさまよう。
このことから死について考え、
「死神と仲良くつきあう」には..
一度死んでみようという境地になる。
夜「みなさんさようなら」と言って死んでみるのだが、不思議と朝がくるという。
私も「さよなら」ではないが「みなさまおやすみなさい」と言って眠っている。
和室には誰がいるのかいないのかよくわからないので、みなさまと..
物語は雪中の1月から始まって雪の12月で終わる。
全編に禅宗のエッセンスが漂う。
私が浄土真宗に触れたのはここ3年ぐらいのこと。
私の生活の根底には禅宗の考えがあることに改めて気づく。
生活は文化、宗教は生きる指針だと思う。
それは子供の頃からの生活、経験から培われるもの。
生きる指針のない生活は空虚な感じがする。
だから子供達には私がしてもらったことはなるべくする。
旬のものを作リ食す。
素材の味を知る。
昭和に生まれ育った者には、懐かしくて憧れる作品だと思う。
25日は京都本山出仕?の予定。