視えることはしあわせなことか？
占いの世界も自分が生業とする一部ではあります。
心理学を学び始めた時は、まさか心理学と占いの世界が深いところでつながっているとは思ってもいませんでした。
鑑定を依頼してこられる方の中には、いきなり「視てください！」と視えること前提で依頼されてくる方もあります。
しかし、占い師全員が「視える」わけではありません。
私の場合、「読める」というのが一番近い気がします。
推理小説を読む感覚で「アガサクリスティーの難解なトリックを読み解く」という状況に、相談者の背負ってこられているオーラを視るが加わる感じです。
でも、もっとダイレクトに感じる方々がいます。
その方たちは「視ている」のだろうと思います。
だから、その能力がダイレクトに幸福に直結しているかどうかは、「？」なのです。
知らないこと、分からない状況があるからこそ、人は頑張れる可能性があると思うからです。
知らないからこそ、幸せな場合もある。
何故、人間に予知能力が備わっていないのか・・・
自分がいつ死期を迎えると判ったら、あなたは幸せですか？
太宰治症候群に罹患すると自死する方が増えると聞いたことがあります。
太宰の文学は退廃的であり、人の欲望のありかたを突き付けられる可能性があります。
昔、ある男子高校生がこう言いました。
「どうせ死んでしまうのに、なぜ苦しみながら生きねばならないのか、僕にはわからない。」
彼はその言葉を残して去っていきました。
彼の両親にはその意味が分かりませんでした。
非常に優秀な頭脳の持ち主で、希望する大学への進学は可能でした。
でも、彼は苦しんでいました。
学ぶ意味が分からなかったのです。
両親や先生や周囲が言う「高学歴・高スペックをもって条件の良い就職」そして「明るい未来」を素敵な未来ととらえることができなかったからです。
彼は小説が好きで、一人で落ち着いた世界に生きることを理想だと思っていたのに、周囲に理解されませんでした。
理解されないことを苦しんでいたのです。
勉強ができて見た目も良いのに、何を贅沢な！とひとくくりにしてよいわけではありません。
彼の孤独や苦悩は彼だけのものですが、周囲もその違和感に気が付くべきだったのかもしれません。
人が予知できるのは「自分が一度は彼岸に行くという事実」
これを認識したら生きるのが難しくなります。
「周囲の中の孤独」は愛でしか埋められません・・・
「視える」のはしあわせ？
友人の一人で、動物の声を聞くことができる仲間がいます。
彼女への依頼は「ペットの気持ち」を聞いてというものが大半でした。
あるとき、食欲不振で痩せていく猫ちゃんの気持ちを聞いてほしいという依頼がありました。
対面しその猫ちゃんの気持ちを聞いた後、彼女は飼い主にこんな質問をしました。
「ご飯を食べなくなる少し前、男性のお客が来ていなかった？その時、部屋から猫ちゃんを出して部屋に入れなくしたでしょ？」
実は、飼い主の女性の部屋に来た男性と話をするとき、客間から猫ちゃんを出し、2時間入れないようにしていました。
その客間にはネコちゃんのお気に入りのクッションや、いつもの居場所があります。
自分がゆっくりしたい時間帯に、多忙であまり構ってもらえていなかったネコちゃんにとって、甘えられると待ち構えていたのに、知らない男性を連れてきて部屋から閉め出した！というのが原因だと、ネコちゃんは主張したそうです。
自分より知らない男性を優先した。
自分なんていない方がいいんだ！
ということでハンガーストライキをしたそうです。
どうりで動物病院に連れて行っても、どこも悪くないといわれるわけです。
鑑定師としては立派な仕事をしたわけですが、彼女曰く・・・
「最近ね、バッタが痛い！と、叫んだ声が聞こえたんだよね。耳栓が欲しい」
聞きたい声だけを聴くわけではありません。
あなたがもし、人の心の声が聞こえる人になったらどうしますか？
「好きな人がどう思っているか分かるのでうれしい」？
「怖い上司の本音が聞ける」
人の弱みが握れるかもしれません。
確かに・・・・・
でもそれが「同時に」「音量調節できない状況」で聞かねばならなくなったら、どうでしょうか？
大音量の雑音に、あなたは耐えられますか？
占いは学べるのか？
占い師になるために学校に通う方もあります。
勿論占術は学ぶことで身になります。
使うツールを選び感度を上げるために、学びは必須です。
完璧に視える方の中には、何も学ばないで鑑定する方もあれば、与えるために生まれてきたと使命を認識している方もいます。
残念ながら、私は寄り添うという方法で「ご本人の中にある回答」を引き出すお手伝いをしていますので、完璧に視える方のことはコメントしていません。
そして、能力が備わるというのは、その方に「必要性を神様（仏様？）が感じてくれたら贈ってくださるようです」
ま、神様の管轄ですので自分の意志で左右できないと感じます。
占術は学べますが、相手を感じる力は磨かないと使えないということでしょうか。
鑑定結果に左右されず、自分でつかむしあわせ
たとえどんな鑑定結果が出ても、受け止めることができないと、せっかくのアドバイスは生かされませんね。
ああ、この方はきっと占いジプシーになるなぁと思うことは多々あります。
そこまでは、止められません。
だからこそ、せっかくのアドバイスを大切にしてください
鑑定結果は、揺らぎが形になるためのもの。
全てがあなたの敵になっても、あなたの心はあなたの物。
けっして忘れないで。
あなたの人生の主人公はあなた自身だから！
占い師としては、どうなんかな？笑
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