「ゲド戦記Ⅰ影との戦い」の感想その2
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以下あらすじ ネタバレ注意
ゲドは、「影」に追われ、怯え、逃げ回っていたが、恩師との再会をきっかけに、「影」に立ち向かうことを決意する。
「影」に立ち向かうと決意して、ゲドは「影」と戦って負けた場合、何が最も恐ろしいことが起こるのかを洗い出す。
自分の肉体が滅びることは、最悪ではない。
自分の肉体を「影」が内側から蝕み、肉体を乗っ取り、そのゲドであった肉体を使って災厄を周囲にまき散らされることが最悪なのだ。
そう、思い至り、ゲドは静かに覚悟を決める。
最期の瞬間。「影」ごとこの肉体を滅ぼせばいい。
そのためには、「影」との対決は海上でする。
ゲドの分析、決断。素晴らしい!
私たちは、もやもやとした「不安」の中身をよく見ようとせず、「不安」に「不安」を注いで、より闇を濃くしがちである。
漠然と老後が「不安」だという。
具体的に何が一番「不安」なのかきくと、「お金がなくなるかもしれない」からだという。
「何にお金を使うのか」と、聞いてみると、「病気や怪我、特に痴呆や寝たきりになるのが不安」なのだという。
それは、「お金の問題というより、健康問題」であるし、「痴呆や寝たきり」になる原因ははっきりしないものがあるので、お金があっても予防できないかもしれない。「寝たきり」になってしまった後は、お金が役に立つだろうけど。
周囲の老人をみていて、趣味や生きがい、社会や他人の役に立っているという実感をもって生きている人は、ピンピンコロリで、「痴呆や寝たきり」になりにくいように思う。
そう考えると、「老後が不安」だからと、貯蓄に励むのが有効なのかと首をかしげる。
慎ましく貯金して、それで安心感を得ている人なら良い。
働いても働いても、貯めても貯めても、かえって不安が増していくなら...。
さて、私も自分の「不安」に向き合おう。
自分にとって、何が最悪かって?!
やはり、「ゾンビとなり、自分の親しい人を傷つけてしまうこと」だな。