自分の弱さに気付くまで、娘は学校に行けない理由を誰かの、何かのせいにしていました。

 授業中に騒ぐ子がいるからやだ

 兄弟は休みだからずるい(大学は休みが多いので)

 保健室の先生はいろいろ話しかけてくるからやだ

 マスクは苦しいからやだ

 自転車止めるの面倒くさいからやだ

 よくもまぁくだらないことも含め、いやほぼくだらないことを理由につけて、ぐちぐち言っていた。

 はいはい、そうなんだね、そうだね、と始めは気を遣っていたのもあり聞いていた。
受け入れたり、同感したりもしていた。

 でもだんだん腹が立ってきた。

 ある日、そんな娘に言った。

 そうやって、なんでも人のせい、何かのせいにして言い訳してくの?
 誰かのせいにしたら、自分は悪くないから、楽だよね。
 そんなふうにずっと人のせいにして生きていくの?
 自分は何も悪くないの?

 娘は私を睨みつけながら、涙を流しながら、聞いていた。そして、わかってる、と泣きながら言った。

 本当はきっと娘も始めからわかっていた。
誰かのせいもあるかもしれないけど、そうやって言い訳して、自分は悪くない、と逃げていたことに。

 でもつらくて、誰かの、何かのせいにして逃げたかったんだ。

 私は現実をつきつけてしまった。

 でもそれが自分の弱さを認める強さを持つきっかけにもなった。