煙突の煙も煙草の煙もお線香の煙も上へ上へと向かっていく。
そして空中で消えて見えなくなってしまう。
風船も少年少女の夢を乗せて、空に向かって飛んでいく。
そしてそのうち見えなくなってしまう。
炎も上に向かって燃え上がる。
そしてやがて消えていってしまう。
シャボン玉も空中に向かって飛んでいく。
そして屋根まで飛んで壊れて消えていってしまう。
花火も空に向かって打ち上げられる。
そして一瞬の輝きを見せて、一瞬のうちに消えていってしまう。
上に向かうモノは消えて見えなくなってしまうモノばかり…。
フト目をやると…
水は下へ下へと向かっていた。
水は消えて見えなくなる事はなかった…。
行く末はあっても…
『人の人生…行く先知れず』
