【215】行く先 | 道化師の休息

道化師の休息

想いの記録集


煙突の煙も煙草の煙もお線香の煙も上へ上へと向かっていく。
そして空中で消えて見えなくなってしまう。

風船も少年少女の夢を乗せて、空に向かって飛んでいく。
そしてそのうち見えなくなってしまう。

炎も上に向かって燃え上がる。
そしてやがて消えていってしまう。

シャボン玉も空中に向かって飛んでいく。
そして屋根まで飛んで壊れて消えていってしまう。

花火も空に向かって打ち上げられる。
そして一瞬の輝きを見せて、一瞬のうちに消えていってしまう。

上に向かうモノは消えて見えなくなってしまうモノばかり…。


フト目をやると…
水は下へ下へと向かっていた。
水は消えて見えなくなる事はなかった…。


行く末はあっても…
『人の人生…行く先知れず』


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