夜の一人 | egalite詩集

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夜の高くて広くて遠いところ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜にたった一人でいるときは

 

夜が恋人であることに気づく。

 

夜に接し、夜によりそい、夜に耳傾ける。

 

この中に夜がぼうっと広がっていて静かな笑みを浮かべている。

 

夜は耳をすませ、大きな腕(かいな)で抱きとめようとする。

 

何の意図もなく。

 

ただこの夜の真ん中に落ちこぼれてきた子を 受け止めるように。

 

あるいは夜に はぐれてしまった迷い児を受け入れるように。

 

 

 

静かな夜の森は広がっている。