薬剤師歴31年のうち最初の5年ほどは

漢方薬局で働いていた。

この漢方薬局は、健康保険が使えないので

お客様から症状や体質を伺って

自分達でどの漢方薬が効果的か選んで販売する。


なので、漢方を勉強したのだが、

奥が深すぎて5年やってもまだ初心者レベルだった。

その後普通の調剤薬局でずっと働くことになり

初心者レベルのままなのだが、

勉強したことは今の仕事にもとても活かされている。


え?

今はもう怪しいイメージはないし、

むしろ身体に優しいイメージなのに

何故漢方をやらないかって?


それは今から20年ほど前に

私が漢方生薬認定薬剤師の栄えある第1回認定薬剤師となった時に遡る。


漢方生薬認定薬剤師の資格を取るために

講座を受けて単位を取得し、試験を受けて

認定をもらうというものだった。


いわゆる今まで漢方薬局で勉強してきた漢方というよりは、科学的なこと、エビデンス、流通、生薬の産地やその現状など多岐にわたった。


気になったのが、

漢方薬の中でもたくさんの方剤(葛根湯、芍薬甘草湯といった処方名)で調和薬として使われる甘草という生薬があるのだが、

これら生薬の産地のほとんどが海外からの輸入だということ。


そして、葛根湯や最近よくインフルやコロナなどの発熱時に使用される麻黄湯に使われる麻黄という生薬や、沢山の方剤に調整薬として使用される甘草。

これらは収穫の際に深いところまで掘り越さなければならなくて、土地を荒らしてしまい

環境上好ましくないのだそうだ。


そしてその主な産地は某近隣の大国。

政治的要因で輸入に影響が出かねない。


普通の病院の薬よりは身体に優しいイメージだが、環境に悪いとなるとやらない方がいい。


と、私はここで


漢方薬メインではやらない


と決めたのだった。


その後認定薬剤師の認定を維持するためには、

学会や国内の生薬栽培地へ最低年に1回足を運ばなければならなかった。


当時週6で土曜日も夕方まで働いていた私。

しかも、親世代の薬剤師の先生と2人体制、

先生は常勤ではないので

遠方の生薬栽培地や遠方開催での学会に日帰りで行くことができるはずもなく、

認定を更新することが出来ずに失効し今に至る。


前置きが長くなってしまったので、

漢方の考え方がどのように服薬指導に活かされているかは、次回以降で紹介しますね。


今日のまとめ

どんな世界も光と影がある



本日もお読みくださり、

ありがとうございました😊